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2008年03月14日

●エコの壁

 「日本人が劣化したのは、本来、人間がやるべきことを石油にさせているのが理由である。」とは、日経エコロミーに書かれていた養老孟司さんの「エコの壁」の中の言葉です。

 やはり、日本人は劣化していると思う。

 人間が劣化しているんです。劣化・・・。文明がもたらした利便性は、人間に思考を停止させたばかりではなく、行動力も奪いました。偉い人が輩出されなくなり、哲学もなくなりました。

 今の政治家をみれば、どうも「偉い人」ではなさそうです。日本人が劣化し、日本が漂流しているように思います。

 アメリカに依存するというのは、アメリカが作り出した石油文明に依存するということで、考えてみれば、そこで日本人”らしさ”を失ったのでしょう。

●飽食の時代の終焉

 いよいよ食料の値上げが本格化してきました。バイオエタノールの需要増による穀物価格の高騰と飼料価格の値上げによる食品加工業の原料高これに加えて燃料高。川上インフレ、川下デフレと言われつづけ、食品製造業は利益の出ないなかで苦しんでいました。しかし、これも限界ということで、食べ物の価格がどんどん値上げされています。
 中国産餃子問題で中国産加工食品の輸入が敬遠され、割高な日本産加工食品が店頭に並ぶようになったので、なおのこと値上げ感があります。
 今までの食品価格の”値ごろ感”が大幅に狂ってしまうので、家計は混乱するかもしれませんね。

 この価格高騰は2年前ぐらいから予想されていました。でも、日本人の飽食はとめられず、流通の安売りが消費者のためとの観念が対策を遅らせてきました。もっと日本の消費者は知るべきだったのだと思います。それを知らせるのは流通の仕事だったのかもしれません。

 輸入飼料に詳しい専門家は、飼料の高騰や食品価格の高騰を早い段階から予想していました。でも、日本人はそれに気づかない。身の回りに”値上がり”爆弾が落ち始めて、家計に影響が出てからはじめて対策をしようとするが、それでは到底間に合わない。そんなことを2年前に言ってました。

 さて、自給率が40%しかないこの国はどうあるべきなのでしょうか?この国の農業にナニを期待しているのでしょうか?
 中国餃子事件で日本の農業に追い風が吹いているといいますが、本当にそうでしょうか?その追い風はいつまでも続きますか?その追い風を受けれるほど大きな帆を日本農業は持っていますか?

 この国の食料補償を考えるならば、もっと抜本的な農業の改革が必要だし、この国だけで国民の食を満たすのが困難なのだから、外交戦略を見直さなければなりません。米ドルが失墜した今、日本は、アジアの一員として独立しなければなりません。
 消費者の利益と称して、高コストで目の前に「安心」を見せて、そのツケを先送りしてはなりません。消費者も思考停止になってはいけません。

 たぶん、今が、飽食の時代の終焉だと思います。

2008年03月13日

●いのちは土につながっている

 僕は、”腐植物質”というモノにこだわって事業を行ってきました。もともと技術屋なので、科学的な根拠に基づいて客観的に腐植の持つ効果や機能をみてきました。腐植について調べれば調べるほど、何か科学では解明できないナニかがあると思っています。今日は誤解を恐れず、そんな非科学的なことを書いてみます。

 そもそも腐植物質というのは、生物体由来の有機物が土壌中で微生物で分解され、再合成されたもので、化学的には「不定形の高分子有機化合物」というものです。本来、人間を含めた動物や植物などの生命体はその一生を終えると土に還ります。息絶えて土の上で死ぬと、一部は他の動物の餌になり、残りは土の微生物によって分解されていきます。分解といっても微生物の餌になるわけで、その過程で出来るアンモニアやリン酸などは植物の栄養素として植物に使われます。やがて生命体は無数の微生物に吸収されその微生物も息絶え、やがて、土の中の金属などの作用を受けて、腐植物質となって土壌中に長期間固定されます。腐植物質は微生物によって分解されにくい性質があるのです。いわば、有機物の絞りカスというか、生命体の最後の形なんです。
 これが土壌に入ると、糊のように土壌粒子を接着し、いわゆる団粒構造というのを作ります。団粒構造というのは、土壌粒子がゆるく接触している状態で、粒子と粒子の間には隙間がたくさんできます。ここに水や空気を溜め込むことができるのです。だから、腐植のたくさんある土というのは、空気をふくんでフカフカで、水を保持するのでしっとりとしています。だから、植物の生育に適しているのです。空気と水があれば微生物もたくさん住むことができるし、微生物を餌とする昆虫や小動物などもやってきます。多様な生物層が構成されるのです。
 つまり、われわれ生命体は最終的に土に還ると、腐植となり、次の生命を生み出す環境を土の中に作り出すのです。土の中では無数の生命体が相互に作用して存在しています。当然、動物や植物にとって、歓迎できない病原菌などもいるでしょう。でも、その病原菌も他の多くの微生物、動物の中に入ると、ワルさができないのです。これが生物多様性の良いところです。生物層が単純化してしまうと、利害関係も単純化してしまい、複雑性が失われます。複雑性の中で秩序を保ち、平衡状態を維持していたものが、その関係がくずれるとたちまちワルさをするヤツが出てきます。
 考えてみたら、人間の社会と一緒です。

 われわれの口にする食べ物も、身体に良いものばかりではありません。天然界では、身体に悪いものも合成されます。毒草を食べて食中毒になるというのもその一例です。普段、当たり前に食べているものでも、毒はあります。でも、適当な量を食べることと、他の多様な栄養素などの相互作用によって、人体に影響が出ないだけなんだと思います。だから、昔から好き嫌いなく、いろんなものをバランスよく食べなさいといわれているのです。

 アレルギーについてもそうです。特定の食べ物で発症するアレルギーは、昔は少なかったといわれています。でも、アレルギーの原因物質、アレルゲンは昔からあったはずです。でも発症しなかった。昔は、肥料などはなく、家畜のふん尿などで堆肥をつくって畑にいれていたから腐植が豊富だったはずです。今より収穫量はなかったかもしれませんが、多様な生物層を持つ土壌中で育った野菜にはアレルギーを抑える力があったのかもしれません。

 最近、アレルギーを防止するために、化学薬品を使っていない天然素材を選択する人が増えています。食べ物でも、化学農薬や化学肥料を使わない、有機栽培を求めています。おそらく、一定の効果があるのでしょう。でも、化学肥料を使わないこと以上に、生物多様性のある土壌で作物を育てることが大事なのではないでしょうか?つまり、腐植物質がたくさん含まれるということです。
 有機農業には土づくりが大事といいますが、土づくりっていったい何なんでしょう?明確に答えることが出来る人がいますか?僕は腐植が豊富で生物層の豊かな土だと解釈しています。

 逆説的に言えば、化学肥料を使っているかどうかが問題ではなく、増収のために化学肥料を適切に使っても化学肥料だけに頼らない、豊かな生物層を持つ土壌をつくることが大事だと思います。産業として農業を営むためには、収量が必要です。自然界では、生物は多様性にシフトします。究極の形が原始林でありジャングルです。
 中学校で、植物遷移というのを習った記憶があります。裸地も長い時間をかければやがて森林になります。その気候に適したクライマックスというのがあるのです。
 農業は、その遷移の過程をいったん停滞させて、一種類の作物を育てることを言うのです。停滞というのは生物層が複雑になるのを停止するということです。

 自然の持つ遷移を止めようすることは、自然の摂理で多様性をつくろうとする雑草(その作物にとって)を抜くことだったり、害虫(その作物にとって害)を駆除することなのです。
 今ある農地が自然のままの姿ではなく、クライマックスに向かう途中だということを忘れてはならないと思います。

2008年03月12日

●蝦夷富士

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 今日は朝から京極町に行ってきました。写真のように雄大な蝦夷富士(羊蹄山)がくっきりと見えました。今年は豪雪地帯で有名な京極町も雪が少ないとのことです。
 吉川政一さんには、越冬して熟成したジャガイモ3品種(男爵、十勝こがね、とうや)をいただきました。ジャガイモは一冬寝かせると、でんぷんが糖化してあまくなめらかになります。収穫後すぐの新ジャガも美味しいですが、春の貯蔵イモはまた違った味が楽しめます。食べるのが楽しみです。

 北海道で農業コンサルタントなる仕事をしていると、よくジャガイモをいただきます。同じ品種であっても作り手によってぜんぜん味が異なります。土づくりが味に出るのでしょう。土づくりに正解はないので、その人なりの味わいを楽しむことができます。

2008年03月11日

●文字が大きくなりました。

 新聞を読んでいると、”4月から紙面が変わります!”、”文字が大きく、見やすくなります。”と書いてありましたので、このブログも文字を大きくしてみました。少しは見やすくなったかな?

 今、友人がブータンなる国に長期出張に行っていて、ときどきメールが来ます。なんでも通信環境が悪いらしく、ダイヤルアップで接続しているそうで、添付ファイルなどは見られないということです。
 考えてみたら、日本もインターネットが爆発的に普及したのはこの10数年ぐらいで、Windows95の発売が衝撃的でした。
 僕はちょうどその頃、札幌に帰ってきていて、Windows95搭載のパソコンを30万円ぐらい出して買ったように記憶しています。メモリは16メガバイト。ハードディスクは数十メガだったと思います。その頃は、ギガなんて単位は知りませんでした。当時、札幌にはインターネットのプロバイダがまだなくて、東京のプロバイダまで市外通話でダイヤルアップしていました。
 考えれば、それからさかのぼること5年ぐらい前、僕が大学生の時には、8インチのフロッピーディスクを使ってました。パソコンには記録装置がなく、すべてフロッピーディスクに記録していました。

 最近、5年使ったパソコンを買い換えました。買ったのはハードディスクが350ギガ、メモリは2ギガで、10万円を切っています。Window95の頃には天文学的なスペックです。

 僕の仕事はIT的にはあまり進化していませんが、世の中、インターネットの普及に代表するIT技術の進化で劇的に変わりました。この変化はわれわれの暮らしにも大きな変化を及ぼしています。
 ITによる便利さが言われますが、その影で大きな悲劇も生み出しています。

 その悲劇のひとつが雇用がITに取って代わられたということです。IT経営により職を失った人がたくさんいると思います。消えた職業には、駅の改札係、空港のチェックインカウンターの係があります。最近、近所の生協に行ったら、セルフレジなるものが4台導入されていました。これで、近い将来、スーパーのレジ係も姿を消すかもしれません。

 職業そのものがなくならなかったとしても、ITの進化は仕事は”誰でもできる”ものになりました。コンビニでは、アルバイトがその日からベテランと変わらない仕事ができます。お客さんがレジに持ってきた商品をバーコードリーダーでピと読み込めば良いだけ。それで在庫管理も発注もすべて完了します。熟練した技術なんて必要ありません。

 われわれはIT革命でもたらされた効果を、便利だといって諸手を挙げて喜ぶべきなのか。憂慮しなければならない問題です。ITに仕事を奪われると、職場での人間関係も希薄になります。新人もベテランも同じになるから、ベテランは新人に指導することもないし、新人はベテランを尊敬しなくなります。
 仕事をネタにした、ノミュニケーション(死語?)もなくなります。

 食べ物に有機を求めるより、人間関係に有機を求める方が先じゃないかと思います。
 

2008年03月10日

●農林中央金庫の見開き大広告

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 今朝、日経新聞を開いてびっくりしたのは、農林中央金庫の見開き全面広告。JA系金融機関がここまでやるかあ!
 同じ日経新聞の「ゼミナール」に連載されているのは三菱総合研究所による”次世代農業ビジネス⑥”。今朝はちょうど農業金融のことについて書かれています。一部の都市銀行が農業関連ビジネスに投資しだしたという話です。政府系金融機関の農林漁業金融公庫も都市銀行との業務協力が活発です。

 農家の金融といえば、JAだけ・・・とは、いえない時代になりました。農業経営も経済の仕組みにがっちり組み込まれているのです。

2008年03月07日

●カーボン・オフセット

カーボン・オフセットを知ってますか?

カーボン・オフセットとは、市民、企業、NPO/NGO、自治体、政府等の社会の構成員が、自らの温室効果ガスの排出量を認識し、主体的にこれを削減する努力を行うとともに、削減が困難な部分の排出量について、他の場所で実現した温室効果ガスの排出削減・吸収量等(以下「クレジット」)という)を購入すること、または、他の場所で排出削減・吸収を実現するプロジェクトや活動を実施すること等により、その排出量の全部または一部を埋め合わせることをいう。

 上記の定義は、環境省が2月7日に公表した「我が国におけるカーボン・オフセット」のあり方について(指針)」に書かれています。

 去年の暮れに、日本郵便がカーボンオフセット年賀状を発売したので、聞いたことがある人も多いと思います。皆さん、カーボン・オフセット年賀状を買いましたか?

 オフセットというのは、「埋め合わせる」とか「打ち消す」といった意味があります。

 温室効果ガスを排出することを「後ろめたい」と思うようになる社会が到来しようとしています。文化的な暮らしをするとどうしても排出してしまうのですが、これを何かの形でオフセットできるシステム、これがメニューとしていくつもあれば良いと思います。

 農地土壌には腐植物質として多くの炭素を蓄積可能です。炭素排出を意識した農業スタイルがオフセット・プロバイダになれると思います。

 今、着々とその準備をしています。乞うご期待ください。

 

2008年03月04日

●土から離れると腐る

 「食」と「農」を考えるなんて言ってるけど、「食」と「農」があまりにも離れてしまった。ということが、さまざまな社会問題の原因のひとつだと思う。さらに言えば、生活が自然と離れすぎてしまったということ。

 「食」の履歴を問うこと自体、「農」の現場と「食」の現場が離れすぎてしまったからで、中国産に限らず、われわれは毎日、口にするものの背景を考えることをしなくなった。

 その割には、口に入ってから後の健康機能がどうだとか、安全がどうだとかということには関心がある。要は、われわれ現代人の思考は、口から入って体外に排出するまでしか考えなくなった。

 物質的に考えると、食べ物が人間の口に入ってから体内で代謝されて排出されるまでの時間なんてせいぜい1日ぐらいのもので、食べ物のライフサイクルから見れば、一瞬の出来事である。

 農学部に入ってくる学生に「芋」が土の中でできることを知らなかった子がいるそうだ。

 「入って出るまで」しか関心のない人にとっては、芋がりんごのように木になろうが、土の中にあろうが関係ないといえばそれまでだ。もしかしたら、何だかわからないものを食べている可能性がきわめて高い。加工食品が普及すればするほど、原料が何かわからなくなる。

 この芋のなり方を知らなかった学生は、親に芋のことを知らされていないし、芋堀り体験もしたことがなかったのだろう。

 考えてみれば、これほど無防備な考え方は無いわけで、食品テロを許す温床がわが日本国では出来上がっている。それは生産者が悪いとか、流通が悪いとかいうのではなく、もっと根本的なものである。

 「農」と「食」は、「健康」や「環境」とも深い関係性があるので、これらを連続的にとらえて「自然」の中にある「人間」という考え方を徹底する必要がある。

 人間の生活は自然の一部であり、生活を自然に調和させなければ持続的な発展は望めない。

 

2008年03月01日

●食の本質を見失っているのでは?

食について考える

 近所の食品スーパーの一角にある小さな本屋さんです。「食について考える」と題して、特設コーナーがありました。いつの間にか、こんなにたくさんの中国食品や加工食品の危険性を煽るような本が出版されているんですねえ。それだけ消費者の関心も高いということです。

 地元のスーパーでも、これだけセンセーショナルに扱えば、消費者は危機感を感じるでしょう。そのうち、何も食べるものがなくなります。

 コープさっぽろが2月27日に「CO・OP手作り餃子」事件へのコープさっぽろとしての対応についてというお知らせをホームページに掲載しました。今後、中国で生産している日本生協連コープ商品の販売は中止し、中国からの商品調達比率を半減させるとのこと。

 これは新聞各紙でも報道されていました。今、全国の食品スーパーから中国製品が消えつつあります。

 消費者は「中国製品=危険」というメディアからの情報で思考停止の状態に陥っているのではないでしょうか?本当に中国産食品は危険なのでしょうか?いったい、どれぐらい危険なのでしょうか?農薬が検出されたから、それはすぐに健康に害を及ぼすというわけではありません。

 北海道産食品の取り扱いを増やすのは賛成です。でも、それは北海道産の農産物が中国産と比較して安全だからというわけではありません。地産地消の考え方からは賛成です。

 加工食品の危険性を煽るより、加工品ばかりに頼らず、農産物を調理して食卓で味わうというライフスタイルを復活させた方が良いと思います。消費者が農産物のことを知ることができるし、手作りの料理で食卓を囲むという家族間のコミュニケーションも増えるでしょう。家庭ごとの食の文化というのも生まれると思います。

 でも、忙しくてそんな時間ない?

 それは問題です。ライフワークバランスを見直さなければなりませんね。

2008年02月27日

●プロセスよりも結果を!

 たとえば、何かの仕事の企画書の作成を依頼したときに、「こんなに苦労しました!」とか言って、出来上がったものがイマイチなことはよくあります。また、天才的なヒラメキで苦労もせず、あっという間に作った企画書が素晴らしいものだったら。

  あなたはどちらの企画書を評価しますか?

 ビジネスとしては間違いなく、結果の良い方を採用するでしょう。どんなに頑張ったからといって、結果が出なければ意味がありません。企画書作成のプロセスはこの場合関係ありません。

 これが自分の娘だったら、「よく頑張ったね、エライ、エライ」なんて褒めると思います。

 みんな、「頑張れば、褒められるんだ!」という経験があると思います。

 昔、よくあったスポーツ根性もののアニメやドラマがそうです。日本では頑張ることが美徳なのです。

 僕はあるとき「頑張ってください。」と言うのに抵抗があった時期がありました。頑張ったところでしょうがない。頑張らずして結果を出すのがカッコいいと思ってました。

 たぶん、長期的・・・人生論的に見ると頑張ることは、人生に幅を持たすというか、経験というか落ち着きというか、悟りというか・・・そんなものが出てくるのだと思います。

 人間、長く生きていると、ズルくなって、褒められることを期待して、頑張ってないのに頑張ったフリをすることがあります。これはいただけません。

 やっぱり、結果がともなっていないと駄目なんです。

 有機農産物がもてはやされています。有機農産物は原則として化学肥料や農薬を使わない栽培方法です。これを生産するために農家は頑張ります。でも、頑張ったからといって結果はともなうとは限りません。頑張ったことが認証として評価されることと、生産物の品質が高いかどうかは別モノです。

 頑張ったフリをしないで、頑張ってる場合、きっと結果がともなってくると思います。

2008年02月26日

●中国餃子考

手作り餃子

 コープさっぽろが中国製品の大半を取り扱わないことを決めたそうだ。消費者の求める”安心”に対応するためだという。例の冷凍餃子への殺菌剤の混入事件が発覚した後、個別宅配事業の売り上げが5%減少したことを消費者の不安が収益に直結したためとしている。

 冷凍餃子殺虫剤混入事件についてはさまざまなメディアが扇動的に扱い、不安をあおっているように思える。そもそも今回の事件、残留農薬にしては濃度が高すぎるので中国の農産物の生産や加工技術の問題ではない。これは「事件」なのだから。

 この事件後、残留農薬の分析センターが大忙しだそうで、みんな分析をすることで安心だと思っている。そして微量の農薬が検出されたら大騒ぎしている。検出された濃度が健康に影響があるかどうかについては関心がないようで、出た出ないの話になっている。

 普通に生活していれば、さまざまな毒物に暴露されながら生活せざるを得ない。健康に良いといわれているものでも摂取しすぎれば毒になるし、お酒の飲みすぎなんてもっての他かもしれない。食事のバランスがくずれれば健康を害す。おそらくすべての食べ物にいえることで、健康へのリスクを考えながらバランスのとれた食生活を送ることが大事なのだ。
 人間の身体というのはよくできたもので、多少の毒物が入ってもちゃんと排出できるという。
 もちろん、リスクのないように管理するのは大事なことだ。

 いくら分析をしても、それが安全であるとはいえないということだ。そして中国産の製品がすべて悪いわけでもない。消費者は冷静な対応が必要である。
 今回の事件を受けて、国産食品への需要が高まっているというが、国産食品は中国食品とくれべて何ががどう安全なのか?北海道産の農産物は低農薬で安全というが、僕は農業の現場をみていて、それこそ人の問題だと思う。有機農業は手放しで安全か?そうか?不適切なたい肥の使用もあるかもしれない。有機農産物といっても30年前に散布して土壌中に残留していた農薬を吸い上げているかもしれない。現にそんな事件も起きています。有機農業はほんの数年だけ農薬や化学肥料を使ってはいけないだけだから。

 日本の食料自給率は40%をきっている。食卓の60%は外国産だ。そのことの意味を消費者は考えるべきだし、生産者、農業団体、食品加工業者、流通業者は消費者に対して、ただ安いものを供給するばかりではなく、考える機会を発信しなければならないのではないだろうか。

 今の日本人の「食」に対する意識に危機感を感じざるをえない。

2008年02月25日

●仕事術

 このところ忙しい。忙しくなってくるといくつかかかえている仕事の力の入れ方や時間の配分が難しくなってくる。時間がないから焦るし、そうすると生活に余裕がなくなる。飲みにいっても仕事が気になったり、娘と遊んでいても集中できない。どこかウワノソラで、「パパ何考えてんのっ!」と手厳しい。

 世の中には、もっともっと忙しい人がたくさんいるのに楽しそうに仕事をこなし生活を楽しんでいる。(ようにみえる。)

 根本的な考え方の転換が必要なんだな。

 僕もサラリーマンのときと今とでは、ずいぶん考え方も働き方も変わったけど、もっとバリバリやって、楽しく暮らすにはまだまだですう。

  今日の日経の一面の「働くニホン」で何のために働いているのか?働く意味を問うている。死の底にある経営者たちに人生を振り返ってもらったら、「もっと仕事をすればよかった」という人はおらず、「家族や自分のために時間を使いたかった」と答えるといいます。
 皆さんはいったい何のために働いていますか?

 また、日経の「仕事術」のこらむに脳科学者の茂木健一郎氏の仕事術が書かれている。目覚めるとすぐにベッドサイドのパソコンの電源を入れ、メールをチェックしてブログを書き始めるのだそうだ。朝起きた瞬間からフルスピードで仕事モードに突入するのだそうです。確かにブログの更新時間はいつも朝の7時半ぐらいです。

 寝ている間に脳が無意識のうちに記憶を整理してくれて、体験の意味がより明確になり熟成するのだとか。さすがは脳科学者だ。

 僕も頼まれた原稿や企画書をまとめるときに、気になりながら頭の中で熟成するのを待つことがあります。僕の場合、あまり熟成は進まないんだけど確かに少しは整理できるような。

 でも熟成を待つあまり、締め切りにまでの時間がなくなり、結局、時間切れで中途半端になってしまう場合も多々あります。

 仕事のやり方、自分なりの仕事術を早く持たなきゃならんな。僕も。

2008年02月22日

●札幌銀行ドリーム基金の贈呈式

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 なんだか疲れきっているおじさんふたりですが、左は私、右は北海道大学情報科学の田中准教授です。先週、受賞の知らせを受けた「札幌銀行ドリーム基金」の贈呈式にいってきました。といっても行ったのは20日の話、その後すぐに帯広に出張。バタバタしてアップする暇がありませんでした。夕べ、札幌に帰着した後、ご報告を兼ねて田中先生にご挨拶に行ったわけです。

 贈呈式では基金の理事長でもある札幌銀行の吉野頭取から表彰状と目録を頂戴しました。それがコレです。会社設立以来、こんな立派な賞状をもらったのははじめてです。会社設立というより大学の卒業証書以来、こんな賞状もらったことはありません。ありがとうございます。
 贈呈式終了後、ほかの受賞者の方々と理事長をはじめとする理事の皆さんとお弁当をいただき、歓談させていただいた次第です。
 ご評価いただき本当にありがたいことです。田中先生、共同研究者の株式会社モリタの環境研究所坂本所長、関さん、山野さん他関係者の皆様に感謝申し上げます。

  それにしてもこの写真。ヨレヨレのおじさんだなあ。この時期、大学の先生は怒涛の忙しさです。学生の論文をみてあげなくてはいけません。だから田中先生もつかれきっています。僕は僕で帯広からの帰り道、JR北海道の振り子特急スーパーおおぞら(めずらくJRでの出張だったのだ。)ですっかり乗り物酔いしてしまっています。

 そんななか、北大の南側にある古民家を改造したモツ鍋屋さん”ぶあいそ”で一杯やりました。

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扉の向こう側にいるのは田中先生

2008年02月19日

●グローバル化にある農業

 今朝の北海道新聞に「配合飼料価格安定制度」が資金難から基金が枯渇し、破綻する可能性が出てきたと報じています。この基金は配合飼料の価格が原料価格によって影響しないように酪農家が積み立てているものだといいます。

 原料価格が高くなった分、この基金から補填していたということです。 ここ最近の飼料高騰により、ついにこの基金が底をついたというのです。制度の破綻で酪農家の負担は増えれば廃業者が続出するとしています。 

 そもそもこうなることはいつから予見できたのでしょうか?おそらくは相当前から結果はわかっていたはずです。農業は周囲の状況の変化に迅速に対応しにくい職業かと思いますが、何か打つ手はなかったのでしょうか?

 グローバル化の潮流の中であまりにも無力ではないですか。

 グローバル化の中では日本の農業は競争力がありません。農業という産業を今までとはまったく違った角度から再評価して、日本の農業を守る必要があるのではないかと思います。

 ・・・最近、ブログの更新を怠っております。アップしたいネタはあるんです。でも時間がないんです・・・

2008年02月16日

●札幌銀行ドリーム基金の助成をいただきました。

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 出張等でしばらくブログの更新をサボっていた間に、僕にとって素晴らしいニュースが飛び込んできました! 

 札幌銀行が設立した札幌銀行ドリーム基金(財団法人札幌銀行中小企業新技術研究助成基金)の助成金をいただくことができました。関係者の皆様、高い評価をいただき、まことにありがとうございます。

 助成対象となった技術開発は筋力を補助することを目的に開発している「農業用スマートスーツ」です。皆様のご期待に沿えるよう来年度の事業化へ向けて開発に精進いたしますのでご支援をよろしくお願いします。

 スマートスーツ研究会では、ただいまメンバーを募集中です。スマートスーツの開発、販売等に興味のある方の入会をお待ちしております。

  「スマートスーツ」に関する過去のエントリ

  スマートスーツ研究会 

2008年02月11日

●屋外追放された堆肥化装置

 手作りの堆肥化装置は、順調に生ゴミを食べまくっていました。温度も50℃を超えいい感じでした。しかし、若干・・・ほんとに若干ですが臭いを発生するようになりました。臭いと言っても生ゴミ臭いとか腐敗臭とかいう感じじゃなく、もっと別の臭い、快適かどうかといえば不快に近い臭いです。
 それでしばらくは僕の仕事部屋のドアを締め切っていたのですが部屋に入るたびに臭いと家人に言われ、ついに屋外追放されました。
 屋外といってもベランダなんですが・・・、しかし外気は朝にはマイナス10℃の極寒の地。大事に育てた堆肥化装置が凍ってしまってはたいへんです。金魚のエアポンプも外に出すとマイナス10℃の外気が直接容器内に入るのでなんとか室内の暖かい空気を入れたいと思ったのですが我が家は新築の北方型高気密高断熱住宅。エアポンプのチューブを通す穴なんて全くありません。仕方なくエアポンプも外に出すことに・・・
 ひと晩あけて、朝7時の気温はマイナス8度。でも堆肥化装置を開けると湯気がもうもうと立ち上がります。この湯気が少々不快な臭いなんですが・・・容器内の温度は42℃。8℃下がってしまった。でも、上々です。翌朝、外気温マイナス5℃、容器内温度35℃・・・また、2℃下がった。
 その日、生ゴミを400g投入し、馬力をつけるために米ぬかを200g程度投入。しっかり攪拌しました。

 この攪拌がまずかった・・・攪拌したことですっかり冷えてしまいそれっきり温度が上がらなくなってしまいました。今朝の堆肥化装置内部の温度は20度。まあ、外気よりは30℃も高いんですが、微生物が活動するには寒すぎます。
 室内に戻したいのですが家人の目があり別の方法を考えなければなりません。まずは室内の暖かい空気を送風する準備をすることにします。

2008年02月01日

●”味”の本質とは?

 農産物の味を決めるのは、いったい何でしょうか?

 品種や栽培環境、土壌の種類、地域、有機か慣行か、作型、愛情?、生産者の人柄?・・・・さまざまな要因があると思います。
 味というのは、極めて主観的なものだから、点数をつけるのも難しいだろうし、先入観で判断しがちです。

  先日、お豆腐の食べ比べをする機会がありました。このお豆腐は、全国的にも有名なお豆腐で、1丁400円もするものです。原料の大豆も厳選し、製造方法も味を守るために厳密に決められています。

 とある生産者があって、この豆腐屋さんに長年、大豆を納めています。納める大豆の量を確保するために近隣の生産者にもこの大豆の生産を依頼しました。品種や作型、生産方法、土壌は全く同じです。ただ、唯一の違いは、これまでの土壌へ入れたたい肥の量です。
 栽培を依頼した生産者は長年にわたりたい肥をいれて地力を高めてきました。他方、栽培を依頼された生産者はあまりたい肥を入れていませんでした。

 このふたりの生産者がつくった同じ品種の豆で同じ日に同じ方法でつくったきぬごし豆腐を試食しました。もちろん、ブラインドテストです。食べたときにはどちらの豆腐が地力のある土壌でつくった大豆かわかりません。

 最初に食べた方・・・・大豆の味が強い。豆の持つ甘みがダイレクトに感じられる力強さが感じられる。食感も存在感があり、ざらついた感じがある。のどごしも悪くない。

 次に食べたもの・・・・最初に食べたものに比べ、味が薄い感じ。でも味はしっかりとしている。甘みもまろやかで、全体的に優しい感じ。食感もきめ細かく、のどごしもつるっとしていてとても上品な感じ。

 

 さて・・・・、さて・・・・、どちらも老舗の豆腐屋さんの技が凝縮されていてたいへん美味しいです。でも、確実に味ものどごしも違います。まったく違う豆腐を食べているみたいです。とても原料大豆の差だけとは思えません。大豆だけでこんなに味が違うのかと驚きました。

 僕は、考えてに考えて・・・恐らく裏の裏まで読んで・・・味の濃い、最初に食べたものがたい肥をたくさんいれた畑で収穫されたものと答えました。

 正解は・・・・見事にはずれ。味がやさしく、きめ細やかなのどごしの良い豆腐が地力の高い畑でつくられた大豆でした。

 スーパーで売られている豆腐は、50円~500円ぐらいまでと、大きな価格の幅があります。大豆の品種も産地も違います。安い豆腐はかさを増やすので水っぽくなるそうです。
 そういう先入観から、味が濃いものが良いと判断してしまいました。でも、どちらも美味しいのです。

 素材の持つと特性や味の本質がわからないのかもしれません。今、食卓にのっているのは、豆腐の形をした別の食べ物かもしれません。でもそれでも美味しく、ホンモノにとってかわることができるのです。その結果、本当の味がわからなくなっているような気がします。 

2008年01月31日

●放射状の雲

農研センター

 恒例の帯広出張です。一昨日は会議で「北海道農業研究センター芽室研究拠点」に行きました。そこで見た放射状の雲です。

 ただいま、新たなプロジェクトが水面下で始動しています。春ぐらいには発表できるかも。

2008年01月25日

●科学は生命も作り出すのか?

 「最近ゲノム、完全合成 米チーム「人工生命」に前進」(by asahi.com)

 アメリカのクレイグ・ベンター研究所のチームが自己増殖能力を備えた細菌のゲノムを人工合成することに成功したとアメリカの科学雑誌サイエンスに発表するという。
 この技術によって、人工的に微生物などの生命を作り出すことが可能になるという。

 ちょうどいま、遅ればせながら「生物と無生物のあいだ」という本を読んでいます。そんなこともあり興味にをもってこのニュースを見ました
 ワトソンとクリックがDNAの二重らせん構造を発見してから、目覚しい科学の進歩です。ついに生命までを作り出すことになろうとは!

 科学が進歩するにつれて生物と無生物のあいだにあるものが曖昧になってしまうことが危惧されます。

 かつて有機と無機のあいだには、生物が作り出すものとそうでないものという明確なあいだがあったといいます。科学が進歩し、生体だけが作り出せるといわれた尿素が人工的に合成できることになり、科学はさらに発展しましたが、有機と無機のあいだにくっきりとしたラインをひくことが難しくなりました。

 そのうち、生物と無生物の境界線がわからなくなることもあるかもしれません。

2008年01月24日

●期間限定! リープスタイルストア in 札幌東急百貨店

 本日、札幌東急百貨店地下1階食料品売り場で「リープスタイルストア」の臨時リアルサイトがOPENしました。期間は30日までの1週間。
 帯広の中藪農園さんのコロッケ、ジャガイモ、大豆をはじめ幕別町の苧坂(おさか)農場さんのゴボウやタマネギ、鹿肉缶詰、帯広市の加藤牧場さんのジャージー牛乳やジャージーの飲むヨーグルトなどここでしかお求めになれないものもたくさんあります。

リープスタイルストア 臨時リアルストア

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2008年01月23日

●中藪農園ショップ開店(札幌東急百貨店)

 明日(24日)より30日まで札幌東急百貨店地下1階食料品売り場のイベントスペースで中藪農園のお店を開店いたします。(昨年の様子)十勝こがねでつくった自慢のコロッケの実演販売をはじめ、高級豆腐にも使われる大豆「大袖の舞」や仲間の酪農家のジャージー牛乳でつくったヨーグルトなどここでしか味わえない逸品がたくさん提供される予定です。
 詳しくは明日、現場で取材してきます。

  中藪農園とれたて市(昨年の様子)
<写真は昨年の様子です。コロッケが大好評でした。>

2008年01月22日

●牛乳消費量が過去最低の水準に・・・

 今日の北海道新聞に記事がありました。「牛乳消費量、最低水準に 07年 中学生で減少目立つ」。記事の内容はというと、昨年の日本人ひとりあたりの1日の牛乳消費量が122mlで過去最低の水準になったと日本酪農乳業協会の調査結果で分かったというもの。消費のピークは1994年で、以後、年々減り続けているという。

 2006年には生産過剰を理由に牛乳の大量廃棄があったのは記憶に新しいところです。このときもお茶などの清涼飲料水に需要が取って代わられて消費が落ち込んでいると言ってました。

 生産者サイドでは牛乳消費の拡大を訴えるキャンペーンも展開されています。北海道ではホクレンが「ミルクランド北海道キャンペーン」をやっています。でも一向に消費が増える傾向は見られないようです。

 何故か? 理由を詮索しても仕方ないと思いますが、やはり、消費動向が確実に変化したことは間違いがないと思います。恐らく、短期間で再び、牛乳の消費量が増えることは考えにくいのではないかと思います。

 北海道新聞の中に、今回の消費低迷の原因として「大量に飲用する中学生が減った」ことをあげています。大量に飲用する中学生とは、協会では「1日に1リットル近く飲む層」としています。

 1日に1リットル?? 今なら飲みすぎじゃない?というぐらいの量です。確かに僕が子供の頃は牛乳を飲んだら背が高くなるとか言われて一生懸命牛乳を飲んでいました。それでも1リットルも飲んでいなかったような気がします。

 食べ物に困り、栄養不良が問題になる時代ならともかく、今は飽食が問題になっています。多様な食べ物、飲料があるなかで、牛乳をたくさん飲むというのは無理があります。何のために牛乳を飲まなければならないのか?健康のためですか?背が高くなるためですか?今の時代、そんな理由では牛乳を飲まないでしょう。

 常套手段である「皆さんが牛乳を飲まなくなって酪農家が困っています。最近ではほとんど輸入に頼っている飼料も値上がりして大変なんです。」という理由を前面に出したら、消費は増えるでしょうか?増えるわけがありません。

 2006年の生産調整のときには、ホテルのウェルカムドリンクとして牛乳が無償で供されたり、役所内ではお茶の代わりに牛乳が出されたりしたそうです。何故、そこまでするのか?当時から僕は疑問に思っていました。

 牛乳を毎日1リットル近く飲む中学生がいるというのは、もはや常識ではありません。

 牛乳の問題だけでなく、我々の食卓は大きく変化しています。変化に対応する食料の生産、調達体制を整えることが重要であり、消費者としても、その消費行動に責任を持たなければならないと思います。

 日本人は利己的になりすぎていて、自分の消費行動や生産行動が社会に影響していることの意識が希薄な気がします。企業だけでなく個人も社会貢献を意識すれば、世の中は変わると思います。要は「道徳」です。

2008年01月20日

●政治家はあまり国民に迎合して欲しくないなあ

 福田総理大臣の所信表明演説で”国民本位”を強調したようだけど、いままでの政治は国民本位じゃなかったのでしょうか?今さら、国民本位なんて言われてもなんだかウソ臭いなあと思うのは僕だけでしょうか?演説では低炭素社会の実現についても言及していました。今日の北海道新聞にも書いてありましたが、日本の温暖化対策の進捗状況は先進国の中で最下位、そして世界の排出量上位70カ国の中でも61位だそうです。これは世界銀行の報告です。この原因は、二酸化炭素の放出の多い安い石炭の利用を増やしているからだと分析しています。総理大臣は安い石炭を使っている電力会社にガツンと言うことができるのでしょうか?低炭素社会の実現をするために国民に多少の我慢を強いることができるのでしょうか?総理大臣の所信表明演説がますますウソ臭く聞こえてきます。
 なんだか「騙されているなあ」と思います。今、日本に必要なのは、政治家の強いリーダーシップです。国民本位だなんていって、国民のご機嫌をとっている場合じゃありません。ますます国際社会での発言力が失われます。
 製紙会社のエコ偽装の問題にしても、社会保険庁の年金の問題にしても、我々、国民はずいぶん馬鹿にされたものです。国民も国民で、この事態にどこまで怒っているんだか・・・新聞やテレビの報道に怒りの論調をあわせているだけで、そこに真理を求めようとしません。国全体が思考停止状態になっているとしか思えません。

2008年01月19日

●寒いと安心したりして

 写真は17日の午前8時頃、場所は昨年開通したばかりの道東自動車道、トマムと清水の間です。非常に良く晴れた朝ですが、このときの気温はマイナス20℃。冷風にさらされると顔が痛いぐらいです。この日の朝の札幌の最低気温はマイナス10℃を下回りました。昨年はマイナス2桁にならなかったというので、2年ぶりの2桁温度です。
 この冬、札幌で雪が少なかったり、年末に雪じゃなくて雨が降ったりして、異常気象を身近に感じていたので、冬が寒いとなんだかホッとします。でも、寒いと暖房に余計灯油が必要なんだけど・・・

 夕べのNHKテレビ「クローズアップ北海道」では、「北の大地からの警告~地球温暖化にどう向き合うか」というタイトルで北海道の気候変化などについて特集していました。気候変動の影響を受けやすいのは極に近い方、つまり日本では北海道で影響が現れやすいのだそうです。下のグラフを見てもこの100年あまりの間に2℃程温度が高くなっているのがわかります。さらに冬の方が温度が顕著に上がっているのだそうです。

ke7city01.jpg
(「近藤純正ホームページ」より引用)

 温暖化が進むと、冬のオホーツク観光の目玉である流氷が来なくなるかもしれないそうです。また、十勝では「野良イモ」が出現するそうです。野良イモとは、ジャガイモの収穫後、畑の中に残ったイモが翌年、発芽して雑草化するというものです。冬が寒いと土壌が凍結して野良イモも凍って死んでいたのが、最近は土壌が凍結せずイモが死なないというのです。土壌を凍結させるために、冬にわざわざ畑を除雪して、土を凍らせる作業をしているそうです。

 温暖化の原因が我々人間が排出する二酸化炭素にあることは疑う余地はありません。IPCCの科学的な検証に基づく報告でも明らかになっています。もし、まだ地球温暖化は人間の責任じゃないという方は、一度この資料<地球温暖化問題懐疑論へのコメント(PDF )  東北大学 明日川壽川氏 ほか>をお読みください。

2008年01月16日

●ニセモノがあるということは、ホンモノがあるはず。

 不二家、ミートホープ、石屋製菓、赤福、船場吉兆と食品の偽装が相次いだことから、昨年の漢字は「偽」でした。今度は日本製紙をはじめとする製紙会社各社が年賀ハガキの古紙配合率を偽装していることが発覚しました。世の中にはニセモノがたくさんあることがよくわかります。
 でも、ニセモノがあるというこは、必ずホンモノもあるはずです。では、そのホンモノは本当にホンモノなのでしょうか?それがホンモノであるという根拠は何なんでしょうか?
 明らかな偽装は、牛肉100%でないものを牛肉と偽ったミートホープです。これは、ホンモノが牛肉にであることが明らかです。今回の騒動である再生紙年賀ハガキの古紙配合率が足りないのも明らかにニセモノです。それは、100%古紙というホンモノの存在があるからニセモノになるのです。
 賞味期限はどうでしょうか?ホンモノの賞味期限とは何でしょうか?規定するのは非常に難しいと思います。通常、食品会社は、過酷な条件での保存など、かなりの安全率をかけて 賞味期限を決定しているはずです。賞味期限をとうに過ぎても美味しくいただける場合、ホンモノの賞味期限のとはいったい何なんでしょう?賞味期限が切れても美味しいのに・・・。もちろん、それは食べる人の安全を考えるという価値観が最優先するから短めに設定することになるのです。
 ところが、その価値観が最優先でなくなったとしたらどうでしょう?食糧難がいよいよ日本にも到来して、今日食べるものにも困るとしたら・・・賞味期限なんて関係なくなるでしょう。もしかしたら、賞味期限が切れた食品を堂々と販売しても誰も文句を言わないかもしれません。
 今、この国は、わずか40%しか食糧自給率がないにもかかわらず、大量の食品廃棄物を発生させています。一方で世界を見渡せば、8億人の人たちが飢えに苦しんでいます。
 古紙の使用についてもそうです。どの程度まで古紙をリサイクルするのが良いのでしょうか?森林を大量に伐採する産業は非難すべきです。しかし、最近はFSC認証のバージンパルプを使う方が良いということも言われています。
 価値観は時代とともに変化していきます。そのなかでもホンモノを超えたホンシツがあると思います。そこに軸足をしっかりと踏みしめることが大事な時代だと思います。

2008年01月12日

●家畜排せつ物の利活用実態の調査

 新年、世の中の仕事が始動して1週目の週末ですが。僕は疲れています。1週目から出張、新年会、打ち合わせと落ち着いて仕事が出来ていません。
 年末にずいぶん忘年会が少なく、さびしいなと思っていたら新年早々固め撃ちの新年会ラッシュで、肝臓の負荷もピークを迎えそうです。
 持続的な生活を標榜している僕ですから、自分の健康が持続的なものでなければならないと今日は反省しきりです。 しっかりと休養をとりたいと思います。

 さて、今週は恒例の十勝出張がありました。新年から新しいプロジェクトが始動しています。それは標題にもあるとおり、「家畜排せつ物の利活用実態の調査」というものです。
 家畜排せつ物は全国でおよそ9000万t排出されています。そのうち9割は農地還元されているといいますが、その実態はどうなんでしょうか?僕が現場で見る限り、水分過多で腐熟化がきちんと行われていないもの、そう、堆肥というよりはふん尿そのものが土壌に散布、施用されていることが多いようです。そういう堆肥はよほど考えて使用しなければ、土壌中で有機物が急激に分解されて窒素飢餓になったり、病害虫の原因となったり、温室効果が高いメタンを排出したりする可能性があります。
 そもそも、酪農業が高度に専業化、効率したことで、構造的に水分量が多く、ゆるいふん尿が出てくるので、これを堆肥化することは容易でないかもしれません。
 ですから、9000万トンにもおよぶ膨大な量が発生しているふん尿のうち、土壌還元されているという9割がどのように利用されているのかを明らかにする必要があります。
 土壌還元といっても、飼料自給率は約2割。そのほとんどは海外からやってくるものです。本来、還元すべきは海外の土壌なのかもしれません。

 最近では、農地土壌に有機物(腐植)をストックすることによって温室効果対策になるという気運が高まっています。ここらで家畜排せつ物に一番近いところにいる農業者が何ができるかを考えるときだと思います。

2008年01月07日

●気づかないうちに変化している。

漂流するペンギン

 元旦にBSで放送した「カーボン・チャンス」を見ました。この番組で印象的だったのは、今が危機的な状況であるのにも関わらず、国民に危機感がないという指摘でした。いまの原油高、穀物高などは、70年代に起こったオイルショックよりも重篤であるにもかかわらず危機感が薄いというのです。70年代の危機には「オイルショック」という名称もつけられていたのに、今回の危機には名前も無い。それだけ危機に無関心になっているのです。
terashima_1.jpg  この番組で進行をしていた寺島実郎氏は、「カーボン・チャンス」のチャンスを単なる金儲けをするチャンスとするのでないと言ってました。僕はチャンスは気づくことであり、意識の変革であり、行動を始めるきっかけであり、さらに国際社会における日本の姿勢を示す機会であると思います。残念ながら昨年末のCOP13では、日本は数値目標の設定を拒む米国を擁護する立場に見えたらしく、環境NGOなどからは厳しく非難されたようです。
 この番組では、地球温暖化対策と経済成長は相反するものでないとしていました。マーケットを上手に活用することで両立は可能であるというのです。マーケットとは排出権取引市場です。
 今年から京都議定書の第一約束期間が始まりましたが、いまのままでは日本は莫大な排出権を国際市場から購入しなければなりません。それは、総額で数千億になるといわれています。
 いまのまま・・・  日本は過去の経済成長の成功体験から変革を恐れているのでしょうか?変化をもたらすためには大きな摩擦が伴いますが、それを強行するリーダーシップは今の日本にあるのでしょうか?新たなパラダイムでは新自由主義とか市場原理主義の限界が見えています。経済成長と環境対策が両立できる構造にシフトしなければなりません。
 国民の危機感の無さといい、政治のリーダーシップのなさといい、この国を憂う新年です。
 

2008年01月04日

●謹賀新年2008

新年あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

 年越しは、数年振りに自宅でした。年が変わった深夜に、地元の氏神様が祭られている神社に行き、初詣をして、おフダを購入しました。お札は、伊勢神宮、北海道神宮、地元の藤野神社の3点セットです。帰宅してすぐに古いお札と交換し、今年一年の無病息災をお祈りしました。
 よく、神社には初詣しか行かないという人がいますが、僕は氏神様が徒歩3分圏内にあることもあり、犬の散歩のついでなどで結構頻繁にお参りに行きます。会社の決算が終わったときなど節目があるときには、意識して行くようにしています。
 農耕民族であった日本人は、地元に氏神様を祭り、五穀豊穣を祈願し、収穫を感謝していました。お祭りや花見などの文化も氏神信仰に深い関係があるそうです。
 僕のように農業に関する仕事をする人間にとっては、この古き忘れられたしきたりを大事にすべきであると思い、自分の家の氏神だけではなく、客先の近くの神社にお参りすることもよくあります。

 さて、お正月三が日は妻の実家のある北見で過ごしました。相変わらず車での移動ですが、道中、雪が少ないのが印象的でした。ほとんど積雪路面上を走行しなかったような気がします。(今回は石北峠を通らずに北見峠を通りました。)
 正月のテレビ番組は相変わらず低俗で呆れるほどです。まったく興味はありませんが、報道特集などでは地球温暖化を扱うものが多く、いくつかを録画しています。今晩からぼちぼち見てみようとおもっていますが、今年はこの温暖化対策に関することが僕の仕事にも関与してきそうです。

 一応、今日が仕事始めですが、自営業者の僕は、何日から仕事を始めるという告知もしていないし、決めているわけでもありません。なんとなあく、本年もスタートを切りました。じわじわと仕事を始めて来週にはバリバリやりますよ~

 読者の皆さんの今年一年のご健康と幸福をお祈り申し上げます。

2007年12月31日

●新年あけましておめでとうございます。

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今年もご愛読よろしくお願いします。コメント歓迎です。

●大晦日に考えること

 大晦日の今日まで、なんだかんだとバタバタしています。本当は、すっきりと掃除をして、穏やかな気持ちで新年を迎えたいのだけれど、やり残したこと、なんとなく気になること(たぶん、重大なことでもないんです。)があり、気持ちをうまく切り替えられないのは、自分自身の仕事と生活とのコントロールがうまくできていないからなのでしょう。いわゆる”ライフワークバランス”ですね。

 

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2007年12月28日

●JAグループは環境のために何をしているのか?

 あわただしい年末、今日で仕事納めという方も大勢いらっしゃると思います。僕も納めたいところですが、仕事がとっちらかっていてサッパリ終わりません。この調子だと、大晦日までバタバタしそうです。仕事も終わりそうもないので、今年一年を総括するのは先送りしようと思います。

 それで、今日の話題なのですが、表題にあるとおり、農業者、農業団体はどんな社会貢献をしているか、また、環境負荷を提言させる努力をしているか?ということです。

 地球温暖化が待ったなしの昨今、大企業ばかりではなく、中小企業も温室効果ガスの排出削減に取り組んでいます。京都議定書に書かれている日本の削減目標を達成するために、家庭でも努力するように政府はキャンペーンを張っています。

 でっ、農業界はどうですか?

 最近のエントリに何度か書いていますが、農地土壌が温室効果ガスの吸収源になるそうです。政府をそれについての検討を始めました。でも、土壌は吸収源になるばかりではなく、排出源にもなるのです。土を起こせば大量のガスが出ます。また、トラクターなどの農業機械を動かすためには化石燃料が必要です。肥料をつくる際にも多くの温室効果ガスが発生します。
 温室効果の問題だけでなく、畜産環境問題や肥料成分の水系への溶出など、農業は決して環境にやさしい産業とはいえません。

 農業者および農業団体は環境のためにどんな活動をしているのですか?

 今日の北海道新聞の朝刊に、JAグループ北海道の広告がありました。コピーはこんな感じです。

フード・マイレージ:食料輸入による環境への負荷 9千億t・km
地球のために「フード・マイレージ」を減らそう。
北海道の食べ物は新鮮でおいしい。環境にもやさしい。
暮らしの中の行動で北海道も、地球も元気にしよう。

広告の肩には「JAグループ北海道は、北海道洞爺湖サミットを応援しています。」とありました。

フード・マイレージとは、食料の輸入量(t)×距離です。遠くから食料を運んでくればフードマイレージは大きくなります。移動するときには、船やトラック、飛行機を使うのでそれだけ温室効果ガスも発生するというわけです。日本のように食糧自給率が低い国は、フード・マイレージは当然ながら大きくなります。日本は世界でもぶっちぎりの第1位です。

フード・マイレージを減らすために、移動距離の少ない地元の農産物を食べましょうというキャンペーンは大いに結構です。でも、それは消費者に行動を求めているだけです。その結果、北海道農産物の需要が拡大し、農家もJAも経営はよくなるかもしれません。もっともな話です。

では、JAさんは環境のためにどんな努力をしていますか?何か具体的な社会貢献はしていますか?消費者に理解を求めたり、行動を促すだけでなく、農業の当事者として何をしているのかその姿勢が問われると思います。

世の中の価値が大きく変わろうとしています。農業関係者も変わらなければなりません。

僕にとっての、来年のテーマのひとつは、「農業の社会貢献や環境負荷の低減」になると思っています。
 

2007年12月24日

●有機と無機

 有機と無機の違いって、はっきりと応えられる人は少ないんじゃないかと思います。実際、専門家に聞いてもその境界線が非常に曖昧なようです。
 19世紀ぐらいまでは、有機物は生き物を構成しているモノで、無機物はそれ以外のモノという分類があったそうだけど、生体を介さずに有機物を無機物から化学的に合成できるようになると、生物かそうでないかという分け方が通用されなくなったということです。今では炭素を含んで燃えるものが有機物というらしいです。
 化学の話に関わらず、何かを説明するときに、「有機的に連携して・・・」とか、「無機的な空間」とか、なんとなく使ってませんか?我々は、ニュアンスとして、「有機」とか「無機」とかを使い分けています。一般的には、有機というと、温かみとかぬくもりがあるという感じで”生きてる”感があることをいいます。一方で、無機というと、金属質で冷たい感じで、無駄なものが無く、よく言えばクールなイメージを抱きます。

 さあ、では、有機農業とは何なんでしょう?一応、有機JASなんて法律による基準があって、それは化学的に合成された農薬や肥料、遺伝子組み換えは使用しないことをいいます。肥料をやらないと作物の成長は悪いので、作物の栄養になるものを与えなければなりませんが、これを堆肥とかで補おうというのが一般的なイメージかと思います。堆肥も結局は微生物に分解されたりして、植物に吸収されるときには、無機物になるんですが。ついでに言うと、有機農業は安全な農業とは限りません。

 有機は英語でいうとオーガニックですが、オーガニックという言葉もニュアンスやイメージが先行しています。オーガニック・サウンドとか、オーガニック・ヒーリングとか・・・
 とにかく、「有機」、「オーガニック」のことを科学的に厳密に区別するべきではないのですが、あまりにも漠然としているところに誤解も起きやすくなっているのかな?と感じます。

 ところで、思い切って、有機を生物由来、無機を鉱物由来とばっさり分けて、「土」を考えて見ましょう。

 土は、そのベースが鉱物です。その種類や粒度(粒の細かさ)によっていろいろと分類されていて、大まかな「土壌」としての性質が決まります。

 そこに、植物の種が落ちたとき、まずは、土の水分で芽を出します。カリウムやカルシウムやマグネシウムなどの無機の栄養素は、鉱物から溶け出して植物に吸収されます。窒素も空気中から固定されたりして、なんとか植物は育ちます。育つということは、空気中の二酸化炭素と水から光合成で、炭水化物をつくるということです。無機のものから有機のものをつくる瞬間です。

 やがて、植物は枯れて土に還ります。「土に還る」・・・このフレーズは大事です。

 土に還るということは、土壌中で有機物が微生物(これも有機物)によって分解されて、やがて無機に戻るということです。しかし、全部が分解するわけではありません。植物の遺体は、何度も何度も微生物によって分解され、土壌中の金属の触媒作用を受けて、難分解性の不定形高分子有機物である「腐植」になります。腐植は、有機物として土壌中にとどまります。

 腐植は、土壌粒子を接着したり、土壌を膨軟化させます。膨軟化した土壌は、たくさんの空気を含み、水を含むことができます。いわゆるフカフカな土になります。、また、腐植は炭素をたくさん含んでいて黒色をしているので、腐植が多い土壌は一般的に黒くなります。黒くてフカフカな土は、誰もが想像する肥沃な土壌です。

 腐植の一部はゆっくりと溶けます。水溶性の腐植酸とかフルボ酸、フミン酸は、植物に吸収されて、植物を元気にします。腐植は植物にとってのビタミン剤みたいなものです。

 腐植は、無機と有機をつなぐ糊みたいなもので、生命の源ではないかと最近、考えています。土に還るというのは、身体の一部が腐植となって長い間、土にとどまるということで、その腐植は、次の生命を育てる源になるのです。

 なんだか、そう考えると、良い土には多くの生命体の記憶が詰まっているような感じがします。
  

2007年12月23日

●クリスマス、そして歳末ムードだが・・

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<NOLE 世界一大きなクリスマスツリープロジェクト>

 世の中は、クリスマスの3連休に突入しています。このブログはビジネスマンの読者が多いのか、休日には極端にアクセスが少なくなります。まあ、特段、おもしろいことも書いていないんですが(涙)
 そして、今年も締めくくり・・・みたいなムードになっています。何しろ、今年もあと1週間です。世の中の人は、取引先にカレンダー配って、忘年会やって、年賀状書いて、一気にお正月ムードでしょう。
 でも、僕はなぜか忙しい・・・、とっても忙しい。こうして日曜日の今日も仕事をしています。(有馬記念はややりました。すっかりやられました。)

 考えてみると、この年末、自称農業コンサルタントの僕が忙しくなるっていうことは、来年は農業に大きな動きがあるような、そんな予感がしています。商売繁盛はうれしいのですが、将来に憂いも感じます。

 原油高と食料品の高騰、切迫する地球温暖化の危機感、資源を持たず、資源を浪費することで、経済のベースをつくってきた我々日本人には、なすすべがありません。

 すべては自分ではどうすることもできないことなのです。他人や人のものに頼ってきたからです。

 クリスマスというキリスト教にとって意味深い日なのに、何ですが・・・

 お釈迦様の教えに「自灯明、法灯明」というのがあるそうです。釈迦の最期に弟子が聞いたそうです。「先生が亡くなられたらわたしたちは何を拠り所として生きていったらいいのでしょうか」。それに対し釈迦は、「自らを灯明とし、自らをよりどころにしなさい。他人をよりどころにしてはいけません。そして、法を灯明として生きなさい。他をよりどころにしてはいけません。」と言ったそうです。

 ここで、法とは「真理」のことだそうです。真理とは普遍的なものです。僕流に解釈すれば、自然の摂理に反し自然を冒涜するなということだと思います。テクノロジーやサイエンスによって得られた今の豊かな世界は、自然を犯しました。温暖化は引き返せないところまできています。もはや、今、我々をとりまいている多くの問題は、サイエンスやテクノロジーによって解決することはできない心の問題なのかもしれません。

 真理の探究と、心を取り戻すために、何かしたいと思います。

 なんか、宗教家みたいになってきた。聖なる夜だから、まあ、いっか

2007年12月18日

●農業者の理念

 僕は、一応、自己紹介する際には「農業コンサルタント」です。と言ってます。起業して5年になりますが、いわゆる同業者という人に会ったことはありません。
 補助金がらみの農業土木工事でコンサルタントをやっている人はたくさんいます。また、農家の金融を見るコンサルタントは結構いらっしゃるみたいです。でも、僕のように、ほぼ個人で、農業者の経営や技術の相談を受けているという人には残念ながらお会いしたことはありません。農業技術の相談は農業改良普及センターというのがあるし、農協の営農課でもいろいろと相談にのってくれます。市町村にも農業技術センターなんてものがあります
 経営に関しても、農協が主たるお客さん、というか、農協以外の取引のない農家にとっては、外部の人に相談する機会などあまりないかもしれません。

 つまり、今までの業界(農業の)というのは、構造が固まっていて生産者が外部(異業種)と交流することはほとんどありませんでした。また、その必要もありませんでした。農協が仕入先であり、農協がお客さんという構造ですから、利害関係が単純なわけです。
 しかし、最近になってお客さんが農協だけではなく、一般の消費者という場合が出てきました。直売所とか、通販がそうです。契約栽培をやるケースも出てきたし、加工食品を製造する場合もあります。農業経営の利害関係者が増えてきたのです。

 自分の経営のまわりに利害関係者が増えてくると、ビジネスという土俵?リング?の上で戦わなければならないケースが生まれてきます。そこにはルールがあります。一般的には農業の構造のルールは通用しないことがほとんどです。
 まず、名刺を持たなければならなくなります。何も知らない人に客観的に経営を説明する必要があります。そして、他と何が違うのか・・・差別化の話も必要です。
 そして何より、経営理念を持たなければなりません。何のために事業をやっているのかということです。そして、世の中や社会にどのように貢献するかというのが明確でなければなりません。なぜ、自分の経営がそこに存在しているのかというのが大事なことになります。

 最近の僕の仕事は、その理念をつくるお手伝いから始まります。そして、やはり土づくり。理念の無いところに技術は乗っかりません。特に土づくりとなるとその成果が出るのに数年、ヘタしたら10年はかかります。少なくとも10年間貫き通せる理念が必要になると思っています。

 5年前は、そんな相談がほとんどありませんでしたが、最近は経営理念の構築に関わる仕事の依頼が増えてきました。農業が産業として成長する予感がします。

2007年12月17日

●バリ・ロードマップ

 めずらしく連続投稿です。なんとなく、温室効果ガス排出抑制について一度整理したいと思いました。

 今回のCOP13では、日本はいいところがありませんでした。経済界やアメリカに対しての遠慮が見え隠れして、リーダーシップとは程遠い対応でした。どうも腰が引けた対応であり、失望感が漂います。
 成果としては、日本が出張していた”すべての国が参加する枠組みづくり”が、一応はロードマップに反映されました。でも、問題は先送りされたに過ぎません。

 ロードマップには具体的な数値目標が示されませんでした。当初はIPCCの報告書に基づき、2020年までに1990年比で25~40%の削減、2050年には半減するという目標が定められていたということですが、これが削除されました。しかし、国際社会はIPCCの報告書の数値に基づいて動いているのです。

 しかし、現実的な問題として、地球温暖化は待ったなしの状態であることは間違いありません。環境技術で国際社会をリードするという福田首相の提言はごもっともなことなのですが、我々の暮らし、経済活動を今のまま維持継続していて、環境技術だけで地球温暖化を防止できるでしょうか?

 今の経済は大量生産、大量消費、大量廃棄が前提で成り立っています。生産や消費が縮小すると、必然的に経済成長もしません。今の日本の主張は、経済成長を維持させたまま、生産にかかわる環境技術で温室効果ガスの排出量を抑えようというものです。これができれば素晴らしいと思いますが、今の暮らし方がエコで持続可能とは思えません。

 炭素を排出しない生活は、生産性の低い倹約的な暮らしだと思います。「ボロは着てても心は錦」じゃありませんが、消費で心を満たすのではなく、何か違うもので心を満たす。幸せになれる方法をひとりひとりが見つけ出さなければならないんだと思います。

  クリスマスを前に、オー・ヘンリーの代表作「賢者の贈り物」を読み考えました。

2007年12月16日

●いまさら聞けない「京都議定書」

 「日本は環境技術で世界をリードしていく」とは、福田首相が提唱していることです。今、環境技術を考えたとき、まっさきに思い浮かぶのは、”脱炭素技術”であることは間違いないでしょう。
 15日に閉幕したCOP13は、「バリ・ロードマップ」を採択しました。
 COP13とは「地球温暖化防止を話し合う国連機構変動枠組み条約締結会議」のことだそうです。ここで、2013年以降の新たな温暖化ガス削減の枠組みを作ろうというのが目的でした。2013年までは、「京都議定書」がその枠組みを規定しています。いわゆる京都の約束です。
 いまさら人に聞けない京都議定書(Kyoto Protocol)とはこういうものです。

 1997年12月に京都で開かれた「気候変動枠組条約第3回締結国会議(COP3)」では、先進国などに対して、2008~2012年の間に、温室効果ガス6種(CO2、メタン、亜酸化窒素、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)、六フッ化硫黄)を1990年比で一定数値を削減することを義務づけた。主要国の削減率は、日本6%、米国7%、EU8%、カナダ6%、ロシア0%などと定め、全体で5.2%の削減を目指した。これらの削減目標には法的な拘束力がある。また、国際的に協調して目標を達成するために、1) 温室効果ガスの排出量取引、2) クリーン開発メカニズム(CDM)、3) 共同実施(JI)などを行うことができる仕組みを柱とする「京都メカニズム」や、森林吸収源などの新たな制度や仕組みが導入された。(環境gooより

 この京都議定書で、日本は6%の温室効果ガスの削減を約束しています。このとき、米国は7%の削減を目指すことになりましたが、ブッシュ大統領は2001年にこれを離脱したという経緯があります。
 日本は2005年時点で1990年と比較して温室効果ガスを減らすどころか、なんと8.1%も増やしてしまっているのです。

 今回のCOP13では、主要排出国である米国を2013年以降の枠組み(ポスト京都議定書)づくりに参加させることや、経済成長著しい中国などの発展途上国を巻き込むことが目的でした。そして、来年には我が北海道で開催されるサミットがあります。この議長国である日本はリーダーシップをなんとしても取らなければなりませんでした。しかし・・・

2007年12月14日

●値上げ!値上げ!牛乳

 出張続きの毎日が続き、今日はひさしぶりの在宅勤務です。・・・と・・・思ったら夕べから重たい雪が降り続き、我が家では25cmぐらいの積雪となりました。週間天気予報を見ると札幌も雪ダルマが並んでいます。いよいよ根雪になりそうです。朝から雪かきで汗を流しました。このところずっと(1ヶ月以上?)体調が優れず、スポーツクラブにも全然行ってないので、久しぶりの肉体労働は身体にこたえました・・(^^ゞ

 つい、先日、乳業メーカー各社が来春からの牛乳の値上げを発表しました。実に30年ぶりの値上げだそうです。値上げ幅は3%以上となる見通しとのこと。一方でホクレン農業協同組合連合会は、来年度の生乳価格(乳価)について9%以上の値上げを求めて交渉に入るとのニュースがありました。
 値上げの原因は穀物市場の高騰によるものといわれています。世界的にバイオ燃料としての穀物の需要が増えています。日本の畜産の飼料自給率は食料自給率よりも低い25%程度、穀物などの濃厚飼料では10%ぐらいです。ほとんどは海外の飼料に頼っているのだから、穀物の価格が上がれば牛乳の生産原価も上がるのは当然です。

 そもそも、30年ぶりに値上げをする牛乳の価格は妥当なのでしょうか?今、我が家で購入している牛乳は1リットル180円程度です。僕には、他の飲料と比較して随分安すぎるように感じます。一年ほど前に牛乳廃棄のニュースがあり、「もっと牛乳を飲もう」というキャンペーンがありました。180円でも牛乳が売れないのです。と、思ったら、一年経って、今度は生乳の減産でバターの在庫量が激減してクリスマスケーキのバターの調達が難しくなっているそうです。また、北海道内には大型のチーズ工場が新設ラッシュです。これにより原料乳の受け入れ量も倍増するとの話です。

 牛乳に関する一連のニュースをみていて、問題の本質が何なのかわからなくなります。日本人の食生活が変化して、牛乳を飲まなくなった事実。輸入飼料に頼っている酪農経営が、国際的な穀物相場の急騰で牛乳の生産原価が上がり、経営を圧迫しているという事実。一方で、チーズ工場の新設ラッシュで生乳(原料乳)の需要が高まっている事実。乳価の値上げと牛乳価格の値上げ幅の差。当然難航すると思われる乳価の値上げ交渉。

 それに加え、個人的に強く思うのは、輸入した飼料を消化して発生する排泄物の処理の問題です。悪臭や水質汚濁の原因となっています。適切に農地に還元されているとは思えません。そもそも輸入飼料に頼っているのだから、本来還元すべきは外国の農地のはず。排泄物の適切な処理について責任は誰にあるのでしょう。酪農家や農業団体、乳業メーカーが果たすべき社会的責任も少なからずあると思います。

  消費者の行動や、酪農という産業の本質を見直したときに、どうも構造的な問題があるように思います。牛乳の流通というモデルを見直さなければならない時期ではないでしょうか?

2007年12月10日

●SRUのパーティ

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 書き遅れのエントリがたくさんあります。
 今年で3年連続3回目の参加となりました「SRU全道大会」です。昨年の様子は過去エントリをご参照ください。(過去の方がかなり詳しいです。)
 SRUとはSoil Reserch Union のことで、エリック川辺氏の土壌コンサルティングを受けている生産者の集まりです。当然ながら生産者の土づくりに対する意識は高く、いつも感心させられます。
 全道大会は通常札幌で開催され、道内の各支部の研究発表や講師を招いてのシンポジウムなどが開催されています。昨年はこの研究発表会にも参加したのですが、今年は体調不良であきらめました。
 でも、会員の生産者がつくった農産物を味わうことが出来る夜のパーティには這ってでも参加したいとの思いから、僕のクライアントでもあり、SRUの役員?でもある十勝しんむら牧場の新村社長に無理にお願いして行ってきました札幌パークホテル。
 今年は、なぜかゲストということで、あつかましくも壇上で挨拶までしてしまいました。

 ・・・・さまざまなお料理をいただいたのですが、写真もなければ味も再現できません。どうも体調が絶不調なんです。鼻づまりで味がよくわからない・・・ああ、もったいない。

2007年12月05日

●アグリビジネス創出フェア

 先月の27~28日は、東京国際フォーラムでアグリビジネス創出フェアに出展しました。農業関係の国立研究所や大学、一般企業などが出展しているかなり大きな展示会です。僕は、共同研究先の帯広畜産大学のブースをお借りしました。そして3枚もパネルを貼ってもらい、さらに、27日はあつかましくもプレゼンまでやらせてもらいまいました。

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 プレゼンのタイトルは「廃棄物系バイオマスの高度改質技術」です。廃棄物系バイオマスというのは、家畜排泄物や食品廃棄物などで莫大な量が発生しています。バイオガスなどのエネルギー元として活用することも可能ですが、現場ではエネルギー利用はほとんどされていません。家畜排泄物などは、統計によると90%は堆肥として利用されているといいますが、現場から見ているととても”堆肥”と呼べるものが90%も流通しているとは思えません。ほとんどは腐れウ○コではないでしょうか。
 そもそも、家畜の飼料の自給率は20%そこそこでほとんどは海外からの輸入です。飼料は家畜の栄養となり残りは排泄物となって日本の国土に集積しているのです。そして、悪臭や水質汚染などの問題を引き起こしています。

 

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2007年12月04日

●ウマ科学会

 今年はインフルエンザの流行が早いようです。平年よりも1ヶ月以上も早く流行しているそうです。なんでも過去20年でもっとも早い流行だそうです。僕も2週間前にワクチンの接種をしましたが、インフルエンザではない、ただの風邪にやられて、もう1週間も苦しんでおります。僕は病院が嫌いで・・・いや、病院が嫌いなわけではなく、待たされるの嫌なので、ついつい病院に行くのをためらっております。
 でも、最近、我が家の近くに「診療所」なるものがあることを教えてもらい、今日、そこに行ってきました。事前に電話で予約をするので待ち時間はゼロです。丁寧に診療していただき、薬を処方してもらいました。

 さて、 もう1週間も前の話をするのも何なんですが、先週の月曜日に東京大学で開催された「日本ウマ科学会」の第20回学術集会に「スマートスーツ」を発表しました。


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 現在、プロトタイプとして試作したスマートスーツは、腰をかがめた姿勢を維持し、比較的動作が緩慢な農作業を対象としてつくられているため、動作の速い騎乗には、あらたな制御が必要となります。また、動作を妨げず、最適な筋力補助をするためには、動作の解析をしなければなりません。
 これを応用することで、腰だけではなく、膝や肘などさまざまな部位にかかる負担を軽減することができます。
 たとえば、工場作業や倉庫作業など、身体に負担のかかる作業動作を分析し、その作業に特化したオーダーメードのスマートスーツの製造も可能になるわけです。
 興味のある方はぜひ研究会への入会をご検討ください。

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2007年11月29日

●スマートスーツの反響

11291206.jpg  先週、日本経済新聞に掲載された「スマートスーツ」ですが、その後、大きな反響をいただいております。
 テレビ局数社からの取材が北大の田中先生のところにあり、28日には北大にて公開実験を行いました。
 昨日の夕方はHBCテレビのニュースで紹介され、今日はNHKでも紹介されました。

  HBC News i (写真)

 

スマートスーツ研究会

 今週は、ウマ科学会でのスマートスーツの発表や、アグリビジネス創出フェアでの展示など、出張が続いております。完治しかけていた風邪も悪化しています。気力で乗り切っています。
 ブログに書きたいことが結構ありますが、後日、まとめてご報告いたします。

2007年11月25日

●農地土壌の二酸化炭素吸収能

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 突然の堆肥の写真で失礼します。堆肥というよりは乳牛の生の排泄物に近いものです。同じ原料(乳牛ふん尿)を腐植化処理したものが右側の真っ黒い堆肥です。また敷料(麦わらを牛舎の床に敷いたもの)が残っていますが、通常の堆肥よりはやわらかくなっています。臭いも全然違います。腐植化した堆肥は臭くありません。
 
 僕は以前から、土壌中の腐植物質の生成について帯広畜産大学と共同研究をしています。平成16年には経済産業局から研究開発補助金を得て、そのメカニズムを解明し、特許出願もしました。
 腐植は僕のビジネスの原点なんです。

 土壌腐植は、土に還った有機物(農産物残渣や堆肥など)が昆虫や小動物によって捕食されたり、微生物によって分解されたり、そして土壌中の金属などが触媒となって化学的に再合成された物質で多くの炭素を含んでいます。一般的にはこの腐植が多い土壌は、農地生産性(地力)が高くなります。土をフワフワにしたり、肥料成分を保持したり、水分量を適度に保持したりする機能を持ちます。微生物にとってもいごごちの良い環境となり、有機物が投入されると、せっせと土に腐植として蓄えてくれるようになります。
 最近の研究では、腐植から溶け出す成分が作物を元気にしたり、栄養豊富にしてくれるという報告もあります。そんな地力のある土は、「再生産可能な持続可能な土壌」だと思います。

 一般論として、真っ黒でフカフカした土と、赤茶けて硬く締まった土とでは、どっちが良い土だと思うでしょうか?ほとんどの方は、真っ黒でフカフカした土と答えるでしょう。それを作っているのが腐植です。
 近代農業は化学肥料に過度に依存するあまり、土づくりを怠り、土壌中から腐植を失ってきました。一説には、ちゃんと土づくりをしていないと、腐植は年間で5%ぐらいづつ減るそうです。つまり、20年もすれば地力は失われてしまいます。

 腐植には多くの炭素を含んでいます。

 ・・・・・と、いう事は?

 土壌中に炭素を溜め込めることができれば、地球温暖化防止にも貢献できるし、農地生産性もあがるし、農産物の品質も高まるし、ついでに肥料代とかも節約できるかも・・・・

 ずっと、そんなことを考えながらやってきました。

 そうしたら、つい先日(10月25日)、農水省がこんな発表をしました。

 「農地土壌の二酸化炭素吸収機能に関する知見の集約について

 ついに、わが社が長く研究開発した成果が、認められる日が来たのか!?

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2007年11月24日

●農商工連携

 11月6日に経済産業省と農林水産省が連携して地域経済活性化のための取り組みを行うことを発表しました。地域再生戦略の重点的施策となりそうです。

経済産業省の報道発表農林水産省の報道発表

 昨日のニュースでは、甘利明経済産業相と若林正俊農水相が東京の三越日本橋本店で行われた新潟物産店に参加して、並んでお米を食べている様子が報道されました

 いままで、農商工連携が活発に行われてこなかったのが不自然だと思います。同じ地域に暮らす農場主、牧場主が企業者と経営者として活発な交流をすることが地域経済を活発化させることに何の疑問もありません。むしろ、いままでやられていなかったのは何が原因なんでしょうか?縦割りの行政なのか、農業団体の力なのかよくわかりませんが、今まで大きな損失があったことは確かだと思います。
 農場主が経営者としてのセンスを磨く場もなかったわけですから、農商工連携は、まず、農業者が企業家になることが求められると思います。

 経済産業省発表の資料の中に、「民間ビジネスの認知度向上と信用力の確保」との文言が盛り込まれています。農業経営はまず、民間のビジネス手法を学び、同じ土俵にあがらなければ連携も難しいと思います。

 また、個人的に興味深いのは、「企業と地域の共生運動(仮称)」として、企業のCSRの一環として、企業が農村等の地域との共生に向けて、地域に対するコミットメントを促進。というのがあります。

 農村地域の現状を見ると、当事者意識の欠如による問題が結構あるように思います。畜産環境問題や、耕作放棄地の問題なども、本来、当事者である農業者、農業団体が解決しなければならない問題だと思います。もちろん政策の問題でもあるでしょう。
 いずれにしても、今、農村地域でこれらの問題を当事者だけで解決するのは不可能だと思います。
 都市と農村の交流、人材育成、地域文化の伝承、醸成などは、企業のCSRを積極的に活用すべきです。もちろん、当事者が主体的に動くのは当然ですが。

 我々は1年ほど前から、FBA(ファーミング・ビジネス・アライアンス)というのを立ち上げています。立ち上げるってほどの組織ではないのですが、その名のとおり、農業経営者と異業種が積極的に交流し、あらたがビジネスアライアンスを創出しようというものです。
 政策もFBAの方向に吹いてきたみたいだし、今後が楽しみです。

2007年11月19日

●エコとファッション

 今朝の日本経済新聞の「春秋」にこんな記事がありました。

 最近開業した都内の百貨店が年末商戦に向け一風変わった売り場を準備しているという話です。うたい文句は「おしゃれにエコ・地球にもやさしいクリスマス」として、有機栽培の綿製品やリサイクル商品、代金がアジアでの植林に使われるカードなど環境保護に役立つモノをギフトとして提案するという企画だそうです。担当者は次のように語っています。「環境への配慮はおしゃれ、という意識の高まりに対応した。」

 これに対して、昨日の日曜日の日本経済新聞に折り込まれている月刊誌「日経4946File」で、女優の高樹沙耶さんへのインタビューが巻頭に掲載されていました。
 高樹沙耶さんは、環境への意識の高まりから、南房総で畑を耕し、自然に感謝しながら自然と共生する生活を実践していて、いろいろと報道されています。
 このインタビューの中で、こんな話をされていました。以下引用。

 「近年、日本でもエコロジーという言葉が定着していますが、まだうわべだけの部分が多いと思います。「おしゃれにエコしよう」という感覚はちょっとヘンですね。日本ではエコな生活を取り入れて自分が癒されようと考える人が多いでしょう。はぐぐむことなしに消費だけをしていて、癒されようというのは考えが甘すぎます。

 これには、ガツンときました。久しぶりの目からウロコです。確かに、日本人の消費は大量消費の生活に慣らされていて、生産することを忘れていました。消費者の身の回りで、はぐくむとか、生産するという行動が極端に無くなりました。
 それは、モノだけでなく、サービスもです。癒しもです。我々は自ら、育てたものに癒されるのではなく、人が商品やサービスとして生産したものを買って、癒しを消費しているのではないでしょうか。
 たしかに、それはちょっとヘンです。

 行政サービスにしても、学校教育にしても、何から何までがサービスを消費しようとする気持ちがあるから、すべてのモノやサービスを経済的な価値に置き換えようとする消費者意識があるからヘンなんだと思います。
 日本人が昔から持っている、和の精神や、自然への畏敬、感謝の念までが経済価値に置き換えられて生産、消費されている社会です。人間関係がギスギスして当然かもしれません。

 僕は、「エコがおしゃれ」であることは良いことだと思っています。そうしたことでエコへの意識が高まるならば結構なことです。ただ、間違った情報や商品の陳列はいけません。売り場の担当者も、科学的に検証して、売り場の方針に合う商品を選んでもらいたいものです。

2007年11月18日

●農業経営における企業体質の強化

 ほぼ1週間ぶりの更新になってしまいました。この1週間は度重なる打ち合わせと出張に加え、各種助成金の申請書書きや管理しているホームページの原因不明のクラッシュなどの対応でなかなか落ち着いて仕事をすることができていません。
 仕事が増えてくると優先順位をつけて上から順番にやっつけていかなければならないのですが、緊急性と重要性を天秤にかけるのは難しいです。とくにクォリティを重視する仕事には、じっくりと腰を落ち着かせて集中しなければなりません。僕にとってブログの更新とは緊急性も重要性も高いのですが、ついつい、後回しになってしまいます。

 ところで、クォリティの高さが要求される仕事に、クライアントとの打ち合わせのための資料づくりがあります。特に農業経営の企業化に関する仕事では、その農場のアイデンティティ、価値観そのものを、見えるモノにしなければなりません。一度決めたアイデンティティは、コロコロと変えることができません。ですから、まずは、クライアントの話をじっくりと時間をかけて聞き出すことが重要になります。そして、さまざまな資料を集め、図や漫画、写真なども駆使して経営者の頭の中にあったぼんやりとした無形な意思を一枚の紙に落としていくのです。

 実は、技術的なコンサルティングもこの作業を踏まないと効果が出ません。というのは、なんのために技術を使っているのかわからなくなるからです。特に、「土づくり」。多くの農業者は、農協や普及所、さまざまなセミナー、書物などで、「土づくり」を奨励されています。確かに、間違いなく土づくりは大事です。でも、土づくりの技術的な方法はいくつもあります。自分がどのような土を作りたいのか、理想な土づくりは、自らの経営にとってどのような位置づけであるのかを明確に意識しないと、技術を選択することはできません。
 土づくりは、長期的な作業で、少なからぬ投資も伴います。長期間続けないと効果を実感することはできないし、売り上げに直接的に反映できるようになるかどうかもわかりません。土づくりを続けていくモチベーションが大事なのです。それが、農業理念というか、アイデンティティになると思っています。

 アイデンティティだけでなく、最近よく聞く、ガバナンス、コンプライアンスなども重要です。つまり、一般企業と同じように、企業体質を強化することが求められているのです。
 僕にコンサルティングの仕事を依頼してくださる方は、すでに確固たるアイデンティティをお持ちの方ばかりで、しっかりとした農地の管理もされている方がほとんどです。その上で、コンサルティング料を支払ってまで、実現したい事、夢があるのです。

 年末が近づいてきて、何かと景気の悪いことが話題になりますが、景気回復が立ち遅れている北海道が飛躍するには、農業者が企業家として強い意思を持つことだと思います。
 農業って、経済にも環境にも、健康にも深くかかわっている産業です。日本を本当の意味で豊かにするのは農業なんです。
 

2007年11月12日

●有機?

 前回のエントリで、有機農業や環境保全型農業の定義について書きました。いまいち、あいまいでとらえどころ無い感じもあります。それらの言葉の定義と違いを明確になっているでしょうか?
 そんななか、有機農業を推進する北海道庁が「北海道有機農業推進計画」を策定し、現在、道民意見を募集中です。ここでの有機農業はJAS法に準拠したものであり、化学農薬、化学肥料、遺伝子組み換えを使用しないことです。

 気になるのは、この目的です。有機農業を推進することは、食の安全・安心を守ることなのか、それとも、環境負荷を軽減することなのかです。個人的には「安全・安心」をワンフレーズで使うことにかなり違和感がありますが、それはさておき・・・、というよりは、同じタイプの問題なんですが・・・

  化学肥料や化学農薬を使いすぎることで、環境負荷がかかることは理解できます。それで、有機農業をやった場合には、環境負荷が少ないのか?決して、そうとは言い切れません。
 何事もほどほどが大事で、中途半端な堆肥を使った有機農業は環境負荷も大きいし、病害虫の発生源にもなるでしょう。

 また、有機農業が安全で、それ以外の農法では危険なのか?という問題について、有機農業が安全であるという科学的な根拠は無いと思います。

 安全という定量的なものと、安心という定性的なものを同じく扱う危険性を感じます。JAS法における有機農業は科学的な根拠ではなく、農法の理念だと思うのです。つまり定性的で「安心」に近いものです。

 かといって、僕は有機農業を否定するつもりはありません。農業経営の理念として有機農業を掲げるのは大いに結構です。環境保全型農業も経営理念のなかで具体的な行動指針を上げればよいでしょう。

 実際に、農業の現場において、どんな技術を採用するかというのは、経営理念があってのものです。理念なき経営に技術の評価はできないと思うのです。

 有機とか安全・安心という言葉が、誤解含みで広がり、それを消費者のニーズとして捕らえ、行政がミスリードしているような気がしてなりません。

2007年11月08日

●シンポジウム参加報告

 6日に芽室町で開催された十勝支庁と北海道立十勝農業試験場が主催の「十勝圏クリーン・有機農業シンポジウム -環境保全型農業のさらなる発展を目指して-」に参加してきました。
 3週連続の札幌帯広間日帰り出張です。しかも、車で・・・。この時期、峠は”しばれる”かもしれないので、今回からはスタッドレス・タイヤ装着です。

 さて、このシンポジウムの開催目的はシンポジウム資料の表紙に書かれていました。

十勝館内に環境保全型農業を広く普及させるため、
生産者・消費者の皆さんのクリーン農業や有機農業に対する理解を促進し、
十勝農業のさらなる発展を目指します。

 基調講演は酪農学園大学理事長の麻田信二氏、もと北海道庁の農政部長、副知事です。有機農業を支援している立場の方です。また、十勝農試の菊地場長も有機農業の研究開発に積極的です。農試では昨年から有機栽培による輪作技術の研究を実施しています。

 最近、有機農業をテーマとするシンポジウムやセミナーなどが多くなってきました。いままでは消費者が主催するものであったり、少数派である有機農業家が主催するものがほとんどでしたが、このシンポジウムは公設試験場と役所が主催するものであり、異例かもしれません。

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2007年11月03日

●幸せのハードルを低くしてみよう

 ベストセラーの「ホームレス中学生」。著者であるお笑い芸人の麒麟の田村裕さんは中学生のときに、公園の遊具を寝床にするホームレスだったそうです。先日、テレビを見ていたら、田村裕さんがインタビューに答えていました。「差し出されたコップ一杯の水でもありがたいと思った。幸せのハードルを下げればいいと思う。」というようなことを言ってました。
 生活の価値が経済という現代では、豊かさの価値はどれだけお金を持っているかということになります。お金さえあれば、良いところに住めるし、おいしいものも食べれる。それが豊かさであると信じ込んでいます。たしかにお金があった方が良い。
 食べるのにも困っていたときには、お金があったらどんなに幸せかと思うでしょう。でも、今はどうでしょう。お金が無いといっても、食べるものが無いわけではない。そして、ソコソコおいしいものを食べています。家には空調が完備されていて、毎日、お風呂にも入れる。
 こんな生活でも十分に幸せです。これ以上望む必要があるのでしょうか。
 幸せのハードルを高くすればするほど、失うものもあるのではと思います。

 人と比較して幸せを感じることが良いかどうかわかりません。でも、僕たちの知らない多くの人たちは貧困に苦しんでいます。僕たちが経済的幸福のハードルをあげればあげるほど貧困な人たちを苦しめることになるのかもしれません。

 動画でみる100人の村

2007年10月31日

●原料高でビールも値上げ

  毎日のビールを欠かさない僕にとっては無関心ではいられないニュースです。キリンビールが来年の2月に値上げすると発表しました。350ml缶で10円程度の値上げだそうです。実に値上げは18年ぶりだそうです。
 理由は原料高。原料の大麦の価格が1年間で2倍になり、缶のアルミが30%も値上がりしているそうです。来年にはビールの原材料は15%も上がるそうですが価格への転嫁は3~5%とのこと。なかなか価格が上げられない理由には、ビールが売れないというのもあるみたいです。若者が飲まなくなったのが大きな原因だとか。
 ところで、原料の大麦の価格が高騰しているのは、やはりバイオ燃料の原料となるトウモロコシに転作する人が増えているのがひとつの理由らしいです。それと、オーストラリアの旱ばつ。

 原料が上がって困っているのはビール会社だけではなさそうです。企業物価指数をみると2000年の価格水準を100として比較すると、素材原料は192.8で、中間財は115.0、最終財は92.2ということです。先日の寺島先生の講演でいただいた資料にありました。

 つまり、メーカーは原料が値上がりして困っているのに、小売価格はどんどん安くなっているということ。
川上インフレ、川下デフレというらしいです。これに原油高でエネルギーコストも上がったらメーカーの利益は出なくなります。

 北海道では乳業メーカーが相次いで大型のチーズ工場を建設しています。原料乳の需要が増加しているのですが、その一方で飼料の高騰、エネルギーの高騰があります。乳価が上がらなければ、ここでも川上インフレ、川下デフレです。

 川下と川上で流速が違うんだから、いつか川が氾濫するかもしれませんね。

2007年10月29日

●ワーキング・プア

 前回のエントリでもご紹介した寺島実郎氏の講演で印象に残ったテーマをもうひとつ。それは「ワーキング・プア」の問題です。

 ワーキング・プアとは、働く貧困層とも言われ、働いていても、またはその意思があっても年収200万円に及ばないひとたちのことだそうです。格差問題のひとつであり、働いても働いても生活が楽にならない状況があります。

 ワーキング・プアを生んだ要因は、企業のリストラとの見方がありますが、実は、IT革命がその一翼を担ったそうです。

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2007年10月27日

●en-you 21で寺島実郎氏の講演を聴く

寺島実郎氏 (日本総研 http://www.nissoken.jp/rijicyou.htm より)  「しゃりばり」の大沼編集長からのお誘いで、昨晩、21世紀遠友夜会(略称: en-you 21)の設立記念講演会で(財)日本総研会長の寺島実郎氏の講演を聴く機会を得ました。大沼編集長には21世紀遠友夜会の前身の「北海道寺島塾」のときからから何度も寺島氏の講演のお誘いをいただいていたのですが、なかなか都合が合わずに出席できませんでした。
 ところで、この「21世紀遠友夜会」は、その活動理念を「新渡戸稲造の精神を21世紀の現代に活かそう」というもので共感していました。
 寺島氏の発言はテレビや新聞、著書を拝見していたのですが、視点がワールドワイドすぎて僕にはちょっと難しすぎるかなと思っていましたが、昨日の講演では、まさに目からウロコの連続でした。
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2007年10月26日

●ビジネスEXPOに出展

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 写真は我が家の近くの小さな山です。見事な紅葉に目を奪われました。もう何年も通っている道ですが、改めて自然の美しさに気付きました。もっともっと自然の変化を感じられるようにならなければならないと思いました。自分が気付かないところで自然の営みがたんたんと続いています。自然の営みは正直で普遍的なもので、そこにこそ真理があるのではと感じました。

 さて、多忙でブログの更新もお休みがちなんですが、それは24日、25日に開催されたビジネスEXPOに出展、参加していたからです。説明員としてずっと立ちっぱなしの仕事は疲れました。

 おかげさまで多くの反響をいただきました。僕のつたないプレゼンを聞いてくださった皆様、ブースを訪れてくださった皆様。どうもありがとうございました。

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2007年10月23日

●気になるフレーズ「安全安心?」

 ミートホープ、白い恋人、赤福、比内鶏、名古屋コーチン・・・・今年にはいって食品業界での不祥事が連続しています。そのたびに連呼されるのが「食の安全、安心」というフレーズ。北海道庁のホームページで「安全 安心」で検索したら1700件もヒットしました。そして、北海道では、「北海道 食の安全・安心条例」まで施行しています。(安全・安心のホームページもあります。)
 僕は「安全」と「安心」が並列で並べられて、ワンフレーズで語られることは非常に危険だと思います。というのは、安全というのは科学的に証明されたもので論理的であり、安心というのは感情という非論理的なものだからです。だから、安全と安心は別に議論しなければならない問題だと考えています。

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2007年10月16日

●廃棄物系バイオマス

 バイオマス・・・最近、よく聞く言葉です。バイオマスとは、生物資源(bio)の量(mass)を意味するもので、「再生可能な生物由来の有機資源で化石燃料を除いたもの」と定義されています。水と二酸化炭素を材料として植物が太陽エネルギーを使って(光合成をして)有機物にしたものすべてがバイオマスです。だから、植物がある限り持続的に再生可能というわけです。

 バイオマスには、①廃棄物系バイオマス、②未利用バイオマス、③資源作物の3つのカテゴリに分類されています。資源作物とは菜種などの油糧作物や飼料作物の原料用作物のことで、最近ではバイオエタノールの開発バブルで発生量も増えてきました。未利用バイオマスは、稲ワラや間伐材など利用されないもののことで、残りはすべて廃棄物系バイオマスになります。家畜排せつ物や食品残渣、汚泥や建築廃材などです。つまり、廃棄物系バイオマスは、一度、有機資源として何かに使われたものということで、未利用バイオマスとは区別することができます。でも未利用バイオマスも利用せずに廃棄されてるわけだから、バイオマスというもののほとんどが廃棄物系バイオマスということができます。

 このバイオマス。厄介なことに腐ります。悪臭を放ちます。だから焼却とか埋め立てとか、何か手を加えてやらないとならない。燃やせば炭酸ガスが放出されるし、埋め立てれば炭酸ガスの23倍ともいわれるメタンが発生する。それだけではありません。廃棄物系バイオマスから染み出た水は地下水や河川の水質を悪化させるかもしれません。

 日本は食料自給率が40%しかないのに、国内では飽食を謳歌しています。食べ残しや、売れ残りの惣菜、お弁当が毎日毎日、生ゴミとして排出されています。食料自給率が自給率が40%しかないわけだから、生ゴミの60%は、燃料費をかけてはるばる海をわたってきた食材です。

 家畜の餌にしても、建築材料にしても、製紙原料にしてもほとんどが海外で生産されたものです。我々は、バイオマスの現役時代の美しいところしか見ていませんが、これらはいつか「廃棄物系バイオマス」となります。

 我々が毎日排せつしているアレもそうです。60%は海外産です。でも、ジャーと流してしまえばもう二度と目にすることはありません。でもひとたび災害がきて、下水道インフラが使い物にならなくなったら、一番、困ったモノになります。みんな廃棄物系バイオマスの関係者なのに、普段は見て見ないフリをしているだけです。

 持続的に再生可能だから、昨今の温暖化対策では、このバイオマスからエネルギーをとろうとしていますが、エネルギーにできるバイオマスはほんの少ししかありません。多くは、ひとめにつかず、今日も燃やされ、腐敗しているのです。

 なんだか、とりとめもありませんが、地球温暖化時代の今、求められている暮らしとは、無駄なバイオマスを発生させないこと、そしてバイオマスを徹底的に利活用することではないでしょうか?
 そして、農業はそれに大きく貢献できる可能性があると思います。

2007年10月12日

●イモの食べ比べ

 農業コンサルティングという仕事がら、農業者とのお付き合いがたくさんあります。(あたりまえだ!)
 この季節になると、そんな農業者の皆さんから、ジャガイモをいただきます。みなさん手塩にかけて育てた逸品です。いま、うちには5~6品種のジャガイモがあります。男爵、メークイン、十勝こがね、キタアカリ、とうや、スタールビー・・・・

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2007年10月10日

●種の絶滅は宿命なのか?

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 ホッキョクグマ(シロクマ)の絶滅が危惧されています。そんなニュースが気になっています。このような状況になったのは、地球温暖化で北極の氷が溶けていることが原因ともいわれています。
 我々人間の活動が地球温暖化を促すことで、北極のシロクマに影響している・・・因果関係はともかくとして、種の絶滅を見届けなければならないのは辛いことです。
 かつて地球上を闊歩していた恐竜やマンモスも絶滅しました。今、シロクマが絶滅するかもしれません。そして、人間も・・・これは宿命なのでしょうか?

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2007年10月09日

●深まりゆく秋のなかで考える

秋の空

 すっかり、空が高くなりました。秋の深まりを日いち日と感じています。北海道では山の紅葉も見ごろになりました。こんな秋の日には、物思いにふけるというのもいいものです。

 僕はというと、風邪気味のさなか無謀にも「札幌マラソン」(10km)に強行出走して、余計体調を崩すことになりました・・・・。それでも、秋の風を感じながらのランニングは、気持ちよく、楽しく走ることができました。

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2007年10月04日

●農業者の経営理念

 気持ちの良い秋晴れの十勝平野です。
 収穫の秋を迎え、農家は繁忙期にはいっています。小麦の新芽も芽ぶき季節の移ろいを感じます。
 一昨日から十勝に出張に行ってました。天気は良かったのですが、体調がすぐれず、個人的には、つらい出張となりました。

 十勝の農業は、その広大な面積を生かせる、イモ、マメ、コムギ、ビート、牛乳など、原料作物が多く生産されています。原料生産ゆえ、消費者と直接接する機会が少なく、消費者のニーズを知りにくい立場にあるのかもしれません。農家は生産物を納品する農協やメーカーとのお付き合いがほとんどになります。いってみれば、「下請け」です。下請け企業は得てして利害関係者が少なくなります。
 そうすると、独立した企業体としての社会的責任が果たしにくくなります。

 大規模原料作物農家の場合、社会的責任というのは、最終的な消費者、つまり食べる人に対する誠意であったり、地域の環境保全に対する配慮であったりします。特に、広大な土地を利用する農業の場合は、環境に対するインパクトも大きく、自然と調和しながら持続可能であることが必須となります。

 このブログにもたびたび登場してもらっている「十勝しんむら牧場」さんは、僕のクライアントさんでもありますが、素晴らしい経営理念をお持ちです。その経営理念とは・・・

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2007年10月01日

●農業セクターという閉鎖的な世界

 10日ほど前に、NHK北海道のテレビ放送で「ホンネで北海道 農業王国に明日はあるか」という、生放送番組が放送されました。NHKを見ていると事前に放送の予告が何度も入り、視聴者の意見も募集しているとこと、日豪FTA交渉など時期が時期だけに期待していました。放送当日は都合があり、生放送では見れず録画しておいたものを、昨日見ました。
 見てみて、ちょっと期待はずれな部分がありました。生放送のわりには、予め用意されていた台本どおりに進められている感があって、何か恣意的なものを感じました。かといって、結論のようなものも得られず、消化不良になりました。
 出演していたメンバーは大物ばかりで、本気でホンネトークなんかしたら大変なことになるでしょう。ところが、議論らしい議論もなく、それぞれの立場での意見にとどまりました。

 しかし、ちょっと考えさせられたのは、経済団体トップが何度か発言した、「農業セクター」という言葉です。農業をやる人、やれる人は限られていて、特権的なイメージがあります。これを経済界、産業界から見ると「農業セクター」になるのか、なるほど。と納得しました。

 経済界から見れば、農業セクターは、いわばアンタッチャブルな世界であり、そこで問題が起きても救済も仲介もできない雰囲気なのかなと思います。農業セクターの人たちも「俺たちの問題なんだから、頬って置いてくれ!」みたいな閉鎖的なイメージがあります。・・・・ あれ、どこかの相撲部屋みたいですね。

 経済団体のトップは、農業セクターの人たちと連携していきたい。とラブコールを送ってきました。経営という面では、経済界の人たちはプロです。今、農業経営には経営センスが問われています。よき経営パートナーを迎えて、農業を産業として発展させていただきたいと思います。

2007年09月29日

●化学肥料の功罪

 僕が環境に関するニュースをチェックする手段のひとつとして、「持続可能な社会と金融CSR」のブログがあります。

 先日、「奇形カエル、原因は農場の肥料による吸虫の増加」というCNNの記事がアップされていました。カエルの後ろ足が余分にあったり、逆に足りなかったりするような奇形の原因が、農場でまかれた肥料が流出して自然の生態系をかく乱することに原因があるという内容です。(詳しくはこのあとに記事を転載します。)

 僕は、化学肥料を否定することはしません。ドイツの化学者リービッヒが1840年に発表した無機栄養説は、化学肥料の発明の促し、世界の農業を変えました。(詳しくは過去ログをご参照ください。)

 最近は化学肥料を使うことが、消費者にはあまり歓迎されていないように思います。有機JAS規格でも化学肥料は使えないことになっています。「食の安心・安全」という言葉が免罪符のように、一人走りするなかで化学肥料も悪者になっています。でも、本当にそうでしょうか?

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2007年09月27日

●これも農業

BTC

 一昨日から北海道の日高地方へ出張に行きました。日高地方は国内最大の競走馬の産地です。競馬は世界中で愛されているスポーツです。一方でギャンブルでもあります。また、競馬をとりまく歴史や文化、馬と人との関係、競走馬生産という畜産業としての側面もあります。

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2007年09月25日

●紫色のジャガイモ ”スタールビー”

スタールビー  十勝では今月からイモの収穫に大忙しでしたが、中藪農園の中藪社長より、「鈴木くん、紫のイモ作ったから、持ってって!」と頂戴しました。
 「スタールビー」です。品種の詳しい情報は、「ジャガイモ博物館」をご覧ください。
 皮が紫色で芽が浅いの特徴です。早速いただきましたが、味も上々です。

 常備野菜であるジャガイモやタマネギにもいろいろな種類があるんですが、流通の都合なのか、スーパーの店頭に並ぶことはあまりありません。ジャガイモなら、男爵かメイクイーンがいまだに主流です。

スタールビー  新品種を作り出すために、育種家は、味や栄養分、病害抵抗性、外観など、特徴のある品種を提案しています。しかし、生食用の新品種の野菜たちは、なかなか一般には出回りません。大量に流通させないとコストが高くつくのがひとつの理由かと思いますが、今や、通信販売で生産者と直接取引きできる時代です。

 収穫の秋です。こんなときには、新しい品種を味わってみるのも一興かと思います。

 なお、このスタールビーは、中の肉は黄色です。数量限定ですが、僕のセレクトショップ「リープスタイルストア」でお取り扱いしています。

スタールビー

2007年09月20日

●畜産が地球温暖化に与える影響

 僕がしばしばチェックしているブログに「食品安全情報Blog」があります。このブログは情報量がとんでもなく多いので、毎回、サラッと流してみるのですが、9月13日に気になる論文の情報が掲載されていました。

World meat consumption should be reduced by 10 percent: less meat means less heat
「世界の食肉消費量は10%減らすべきである: 食肉消費を減らすことで温暖化を抑止できる」

cows1.jpg  世界中で行われている家畜の生産によって排出される温室効果ガスは、実に世界中の温暖化ガス排出量の20%に相当するそうです。現在、世界平均では毎日ひとり100gのお肉を食べているということですが、これを減らすことで、温暖化を防止することができて、なおかつ、お肉を食べることでリスクが高まる病気を減らすことができると言ってます。

 畜産に限らず、農業が地球環境に与える影響は甚大といわれています。しかし、鉱工業と比べて農業は自然環境に優しい産業だと思われています。しかし、それは大きな誤解です。
 鉱工業は昔から厳しい環境規制がありました。現在も温暖化ガスの排出抑制への対応を強く求められています。しかし、農業についてはそのプレッシャーはあまりありません。

 しかし、家畜生産に伴う温室効果ガスの排出量が全排出量の20%ならば、静観しているわけにはいきませんね。特に、日本の畜産の場合、飼料の多くを輸入に頼っているので、運送等にかかる環境負荷は大きいはずです。
 食生活、食習慣を含めて、考え方を改めなければならない時代がすぐそこに来ているのかもしれません。

2007年09月19日

●ブランド食材のニセモノ

 それにしても、食品の偽装が後を絶ちません。食品というより農林水産品の偽装です。何しろ、包装から出したらもう名前が書いていないですから。ブランドバックのニセモノを苦労して作るより、農産物を偽装した方が簡単だからなのか?まさか、一般の人はDNA検査とかしませんから。

 最近は地域ブランドとか言って、農産品、水産品などの「地域資源」をブランド化する動きが活発です。ブランド化が成功すれば、ニセモノの出現も時間の問題でしょう。ニセモノが出てきたときに、どのように対処するかが、これからの課題となりそうです。

 有名な地鶏の名古屋コーチンは、生産量の2.5倍ぐらい流通しているそうです。つまり、名古屋コーチンとして売られている商品の半分以上はニセモノだということです。鶏肉に加工されたり、焼き鳥にされたら見た目では、どんな鶏かわかりません。一般人が味で真贋を見極めるのも無理があります。真贋を見極めるのが難しいほど、ニセモノが横行するわけです。

 最近は食品の偽装が社会問題化しています。偽装は複雑化した流通体系の中でどこで起きるかわかりません。すべてを疑えばキリがありません。食のブランド化とともに消費者への情報発信。信頼関係の構築が一層重要になってきています。

 ところで、食の偽装の問題。北海道で頻発するのは、北海道が食の宝庫だということです。北海道というだけでブランドができているのです。これは生産者の努力もあるでしょうが、北海道の豊かな自然の賜物です。北海道の食を売る者は、北海道の自然に対して畏敬の念を持たなければなりません。そして、自然を守るために何かアクションを起こさなければならないと思います。

2007年09月17日

●食の安全は認証よりコミュニケーション

9月15日の日本経済新聞地域経済面(北海道)の記事です。

「食の安全」道が独自認証

石屋製菓による「白い恋人」の賞味期限改ざんの発覚から1カ月。揺らぐ「食の安全」に対する信頼回復へ、官民が動き出した。道はHACCP(危険度分析による衛生管理)の手法に基づく独自の認証制度を創設。食品関連企業に衛生管理の徹底を促す。北海道キヨスク(札幌市)など流通業では取引先メーカーの管理体制のチェックといった取り組みが広がる。 (以下は、日本経済新聞のHPをご参照ください。)

 役所は、何かと「認証」(お墨付き)することが好きです。しかし、その認証が消費者にどのぐらい認知されているでしょうか?

 そもそも、この時代、お役所がつけたマークを信用する消費者がどれぐらいいると思いますか?

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2007年09月14日

●農地は公共財だと思う。

 今朝の北海道新聞にあった記事です。

 「企業参入案 農業団体など反発 農地政策の見直しに影」(9月14日 北海道新聞)

 農林水産省が行なっている「農地政策に関する有識者会議」で、企業の農業参入を促そうとする案が盛り込まれたことで、一部の委員(農協系)が反発して、議論が前に進まない状態になっているそうです。

 農地の所有や賃貸をめぐっては、長い間厳しく規制されており、もちろん企業の参入は容易ではありません。しかし、農業者の高齢化や離農、相続によって農業者以外が所有するなど、農地は細分化し、耕作放棄地も増えています。さらに、WTOの農業交渉では、農地政策を含む農業構造の抜本的な改革が余儀なくされています。そこで、企業への農業参入を開放し、いわば平成版の農地解放をしようという気運になっています。

 これには、農業団体が猛然と反発しています。有識者会議の議事録を読んでみると、会議の冒頭から全国農業協同組合中央会の冨士重夫常務理事と全国農業会議所の松本広太専務理事の農業団体系のふたりの委員が、先制攻撃で企業参入にクギをさしています。これに対して、東京大学の吉川教授がいいことを言ってます。

 

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2007年09月12日

●土の価値

map.jpg  農地を開墾する前から、既に、そこに土はあります。農地になる前は森林だったかもしれないし、湿地だったかもしれません。土壌の能力(地力)は、その土地の出来方で最初から決まっています。北海道だと火山灰が多いでしょうし、川の近くだと沖積土かもしれません。土の種類によって粒度などの物理的性質や化学的な組成も有機物の量も質も違うので、水分や肥料の持ち方も違うでしょう。これらは、いわば先天的な性質です。

  これに対して、農地となった後に、土づくり(土壌改良)として施したものは後天的な能力といえます。その土地にいかに手をかけた(投資したか)によって、後天的な能力は決まってきます。

 このように表現すると、ヒトの能力の話にも通じますね。ヒトにも先天的なものと後天的なものがあって、いまのパフォーマンスが先天的なものか後天的なものか、どちらに依存しているかという話題はよく耳にします。

 競走馬が良血によって走るのか、それとも良いトレーナーにめぐり合い、調教を重ねることで強くなったのかという話もあります・・・

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2007年09月11日

●左官屋さんにとっての土と農家にとっての土の違い

 土というのは、扱う人によってその定義が違うようです。土木の分野では、土をコントロールするために、粒度分布や含水量、密度、せん断力、塑性限界・・・・など、工学的な項目が並びます。土壌中の有機物などは、強熱減量となります。
 左官屋さんや、陶芸家などは、発色や焼いたときの質感など、もっと化学的な要素を重視するのかもしれません。

 僕はかつて、ゼネコンで緑化の仕事をしていたことがありますが、土木的に見れば造園工事は最後の仕上げです。植栽の時期が真冬になろうと、渇水期であろうと関係ありません。引渡しの時に、指定された場所に樹木があれば良いという感じです。植物の都合など二の次でした。
 今は屋上緑化だとか都市緑化とか言って、緑化の重要性が増していますから、そんなことないと思いますけど。

 ところで、農業にとっての土とは何でしょうか?

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2007年09月10日

●今年は9時31分

tokei.gif  (財)旭硝子財団が1992年から実施している環境危機時計のこと。2007年はこれまでで最も針が進んだ9時31分になったそうな。

 この調査は、世界各国で環境問題に関わる政府や民間の有識者を対象に行なったアンケートの結果です。

 その設問は次のとおり、「あなたは現在の地球環境の悪化に伴う人類存続の危機の程度をどのように感じていますか?時計の針にたとえて0:01~12:00の範囲で○○時○○分と答えてください。」というものです。

 「人類存続の危機」です。有識者は「極めて不安」としています。アンケートを記入した人が特に念頭においたことは、やはり「地球温暖化」でした。次に、「森林破壊、砂漠化、生物多様性の減少」でした。

 温暖化対策では、「気候の安定のために温室効果ガスの排出量を現在より50%以上削減する必要があるか?」との問いに49%の人が、「近い将来かならず必要となる」と答えています。「将来必要となる可能性がある」という人は41%で、全体の90%を占めています。「科学的根拠が希薄でナンセンスである」とした人は6%でした。

 温暖化ガスを現在より50%削減するためには、ライフスタイルのダイナミックな変換が必要です。つまり、価値感が変わるということです。「パラダイム・シフト」です。レスター・ブラウン氏が言う「環境革命」です。
 産業革命以来、先進国の経済発展を支えてきた、現在の経済理論が通らなくなるのです。

 もしも、このパラダイム・シフトを先延ばしにするならば、人類存続はありません。人類の発展は地球環境が健全であることが前提ですから、いずれにしろパラダイム・シフトは起こるのです。

 ライフスタイルやビジネスモデルの大転換が必要になります。あなたは何を転換しますか?

2007年09月07日

●誰のための農業か?よく考えよう!

satuma_b.jpg  日本の食糧自給率が今年40%をきりました。先進国では最も低い水準です。日本の「食」は海外(輸入)に依存しているのです。
 これまでは、日本は豊かな経済力を背景に、世界中から食料を買ってきていました。しかし、エネルギー源のバイオ燃料へのシフトによる需要の拡大、中国等の急速な経済発展による食の欧米化によって、世界の食料需要が大きく変化しています。その影響がじわじわと我々の近くに出てきました。マヨネーズや食用油の値上げにはじまり、先日はカップラーメンを値上げを決めたそうです。牛や豚の餌となる飼料も値上がりが続いています。
 たとえ値上がりしても、日本に強大な経済力があって、国民の食料を海外から買って来ることができれば良いのですが、そんな保障はありません。食料危機は我々のすぐ近くにあるのです。

 突然ですが、僕は、日本農業再生のシナリオのカギは、食料危機を感じる企業にあると思っています。企業が本気で農業に投資しなければならない時代が来ると予感しています。

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2007年09月05日

●くりやま健康たまねぎ「さらさらレッド」予約開始!

  タマネギという野菜は、北海道を代表する作物で、その栽培には古い歴史があります。原産地は中央アジアであるといわれており、日本には江戸時代に入ってきたものの観賞用とされていました。
 タマネギを食用として日本で始めて栽培したのは北海道でした。栽培したのは北海道大学の前身、クラーク博士で有名な「札幌農学校」、1878年のことだったそうです。その後、北海道では品種改良が進み、「札幌黄」という品種となって海外にも輸出されていたそうです。

 「さらさらレッド」は、北海道大学農学部発のベンチャー企業で、タマネギの大産地である栗山町にある「植物育種研究所」が開発した新品種です。代表の岡本大作社長(農学博士)は、タマネギ一筋の研究者で、時代に求められるタマネギの新品種を開発しています。
 昨年は、幻のタマネギ「札幌黄」を品種改良し、「さつおう」という品種として現在によみがえらせたことも話題になりました。

 そのタマネギ研究の第一人者である岡本社長が開発した新品種が「さらさらレッド」。タマネギの持つ健康機能性を発揮させた逸品です。もちろん、味も良いです。甘み、辛味が強く、非常に味が濃いタマネギです。鮮やかな赤色のこのタマネギは美しくルビーのようです。

 その「さらさらレッド」が今、収穫の最盛期を迎えています。今年は初夏に雨が少なかったので、全体に小ぶりですが、品質は上々とのこと・・・

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2007年09月03日

●酪農臭

  2番草の収穫が終わり、酪農家が一斉に堆肥やスラリーをまくこの季節。北海道内の観光地では、「酪農臭」が漂っています。「酪農臭」、そうです。家畜糞尿の臭いです。

 この週末、家族の買い物に付き合って、新千歳空港近くのアウトレットモール「Rera」に出かけました。真っ青な空のもと、整然と並んだブランドショップは、この日も多くの観光客でにぎわっていました。とくに、東アジアからのお客さんが多いようす。

 そして、この周辺は酪農家も多いところです。だから、この時期は、えもいえぬ臭いが漂っています。酪農関連の施設ならまだしも、世界的に有名なブランドショップとレストランがあるこの商業施設にとって、この臭気はどうなんでしょう?

 先月も、道東の中標津町の有名な温泉。「養老牛温泉」に行きましたが、露天風呂に漂う、酪農臭にはげんなりしました。宿よし、食事よし、お湯よし・・・なのにもったいない!

 観光施設において、農業由来の臭いはどこまで許容されるのか、真剣に考えなければならないときだと思います。

 酪農業は、飼料の高騰や、牛乳消費の低迷など、苦境にあります。しかし、今こそ、街づくりとして、酪農と観光の両立に取り組むべきです。

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2007年09月02日

●農林水産大臣辞任。農政のゆくえは・・・

 まさに異常事態です。1週間前に発足した安倍改造内閣の遠藤農林水産が政治とカネの問題で引責辞任します。多くの新聞にもかかれていますが、今月からWTO農業交渉が再開され、オーストラリアとのFTA交渉も大詰めを迎えるこの大事な時期に・・・・何故?農林水産大臣ばかりが問題発覚するのか?何か裏で闇の力が動いているのでは?と思いたくなるほどです。

 もはや日本の農政はドコに向かっていくのか分からず迷走している状況です。
 長年にわたる補助金による農業振興が農業団体の利権を形成し、農業と政治の癒着を招いたともいえます。毎年莫大な金額が拠出されている農業関連補助金が日本の農業を本当に強くしているのか?疑問を感じざるを得ません。

 食料自給率の低下には歯止めがきかず、農業従事者は超高齢化、耕作放棄地はどんどん増加していく悪循環が続いています。さらに、日本農業の絶対的なサポーターであるはずの消費者も日本の「農」と「食」に対する関心が希薄になっています。内閣府、農林水産省がすすめる「食育」もむなしく感じてしまいます。こんな状況で一体、誰がこの国の農業を支えていくのでしょうか?

 そして、今、国際的に市場開放を迫られています。流れは市場の完全開放です。国内農業の体力もなく、国民も農業に無関心な今、安い農産物が入ってくれば、日本農業は壊滅的な状況になるでしょう。

 さらに、国内農業を捨て、食を海外に依存した日本は、国際的なエネルギーと食料需給の変化に翻弄され、食料難にはなすすべもなくなるでしょう。
 飽食を謳歌した日本人は、食料難の粗食に精神的に耐えることができるのでしょうか?

 農業を保護する政策は、どの国でもやっています。国内農業を強くし、食料を自給するということは、どこの国でももっとも優先的な国策です。そのために補助金を使うのを否定することはできません。ただ、本当に日本農業の基礎体力を強化し、国民の「食」に対する考え方を改めるようなお金の使い方をしてもらいたいものです。そして、何より望まれるのは、強いリーダーシップを持つ政治家です。

2007年08月30日

●皆既月食

kaiki.jpg  久しぶりの更新になってしまいました。この数日、北海道は朝晩はすっかり冷え込むようになり、秋の気配が感じられます。

 週末から帯広に出張。一度、札幌に帰ってきて、ふたたび帯広に出張と忙しい日々を過ごしておりました。皆既月食も帯広から札幌に向かう車中で、欠け始めから月が地球の影の中に入るまですべて見届けることができました。

 月に落ちる地球の影を見て、その地球上での我々の日々の営みも宇宙からみれば、小さな出来事だなあと思います。しかし、その地球の自然を我々人間が破壊していることに心も痛みました。

 先週末の帯広では、北海道中小企業家同友会帯広支部 農業経営部会の 収穫感謝祭に参加してきました。もう、3年連続での参加です。今年も暑い中、関係者の皆さんご苦労さまでした。

2007年08月22日

●フィンランドの森

pic_09.jpg
NHK 世界里山紀行 フィンランド 森と妖精の対話

 8月19日夜のNHKテレビで「世界里山紀行 フィンランド 森と妖精の対話」という番組が放映されていました。何気なく見ていたのですが、その圧倒的な自然と、自然に感謝しながら暮らす人々、古くから伝えられている文化など、日本人が忘れているものがありました。


 

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2007年08月21日

●あの「しゃりばり」が電子媒体として再出発!

しゃりばり

 創業以来、僕もたいへんお世話になっている北海道が抱える問題に鋭く切り込む月刊誌「しゃりばり」が、今月号から、紙媒体から電子媒体(WEB)になりました。そして、誰でも無料で読むことができます。まずは、メルマガに登録(無料)してみてください。

 新創刊第一号の特集は、「世界潮流と10の選択ポイント」ということで三井物産戦略研究所の寺島実郎氏が寄稿しています。

 「しゃりばり」は、北海道の老舗シンクタンク社団法人北海道総合研究調査会(HIT)が発行している機関紙です。その歴史は古く、1975年創刊で、2007年8月号まで306号を発刊しています。

 「しゃりばり」(CHARIVARI)とは中世から19世紀までのヨーロッパで広汎に認められた民族的現象の一つです。「どんちゃん騒ぎ」「なべかまセレナータ」という訳語があてられています。私たちはこの北海道を舞台にCHARIVARIのごとく陽気に元気に、多様な考え、実践を通して、過去・現在・未来の北海道を熱い想いと冷静な判断で郷土の可能性と文化を読者の皆様とともに再構築していきたいと思います。

 僕も、しゃりばりには3度登場しています。最初は2005年1月号。創業したての頃で、「若手しゃりばり人」というページで紹介いただきました。次は、2006年3月号。「農業ビジネスの行動者たち~30代から80代まで」という特集で、拙稿を取り上げていただきました。そして、3度目は今年の2月号、記念すべき創刊300号の特集「醗酵技術の最大限の活用」に書かせていただきました

 電子化されても、内容は紙媒体のときと全く代わらず問題に「鋭く」切り込んでいます。スポンサー広告も紙媒体のときと同じように表示されているので、紙からWEBに変わった事もあまり意識しません。

 創刊以来、ポリシーを貫き、時代が変わって発行形態が変わっても、その本質は変わることがありません。ぜひ皆さんもメルマガ登録を!

2007年08月19日

●「農」を変えたい!全国運動」

 今日、長沼町で「農を変えたい!全国運動」全国プレ大会 in 長沼なるイベントが開催されました。この大会の副題は、「道民の生命を守る北海道農業を!~北海道の自立と自給を目指して~」というものです。
 農を変えたい!全国運動は、有機農業や環境保全型農業を推進する団体であり、今日のイベントには生産者や消費者団体、行政、作業服を着た農業職員など、ざっと見渡しても400人ぐらいの方が参加されていました。
 僕自身、有機農業について、いろいろ考える機会をいただきました。

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2007年08月17日

●北海道のブランドを過信していないか?

images.jpg  北海道というのは、その開拓の歴史からみるように公共工事、補助金で発展(?)してきました。今も、そうした国や自治体などの公共の財布をあてにしているところが大きいように思います。

 多くの見識者が、その甘えた”北海道体質”を払拭すべきだ!と厳しく指摘されているのですが、当の北海道人は、まだまだ自主、自立の精神が少なく、うまく行かないことを行政や他人のせいにする傾向があるんじゃないでしょうか?

 最近は、日本国内はもとより東アジアの国々でも「北海道」ブランドが人気だととか・・・。行政も、北海道ブランドで売り込みをかけています。「北海道」というロゴがついているだけで売れると喜んでいます。

 しかし、その品質管理は徹底しているのでしょうか?

 何かに依存し、自立できない北海道人体質が「北海道」ブランドを守れるのでしょうか?

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2007年08月16日

●オーガニックとは感性なり!

organic.gif  オーガニックという言葉が氾濫しています。僕は単純な技術屋なので、オーガニック=有機 と直訳して、「何を、ニセ・オーガニックめ!」とニガニガしく思っていました。有機農業については、JAS法でちゃんとした基準が決まっており、この基準を満たしたものでないと「有機」をうたうことはできません。
 この有機の基準が、必ずしも品質や安全性を保障するものでないことは、このブログでも何度も書いてきました。

 ところが、先ほど、ラジオを聴いていて、「オーガニック・サウンド」だとか、「ヒーリング」だとかいう言葉が連発されていて、ハッと気付きました。
 ふつうの人たち、特に、流行に敏感な人たちが使う、「オーガニック」は、法律的な基準がどうとかいうJAS的「有機」ではなく、「心地良い」とか、「健康的」とか、「癒し」とかいうキーワードに象徴される、「感性」の言葉なんだと理解しました。

 特に、自然を感じさせる、自然と調和するというニュアンスが強いために、JAS的「有機」とかぶって、無農薬とか無肥料とかを連想してしまいます。

 同じ言葉でも、受け取る側で意味が異なることがある。そのひとつだと思います。

 そういう意味でオーガニックという言葉が農業経営でも使えるならば、大歓迎です。
 自然と調和する農業を実践し、大地の持つ力(地力)を引き出し、それが、作物の「滋味」となって、食べる人の健康をつくる。食べる人は、その作物が育った大事に思いを馳せる。食は心地良くあるべきであり、ときに、それは癒しでもあります。僕の理想と同じです。

 なお、オーガニック・サウンドを作り出すときには、当然ながら農薬も肥料も使ってません。たぶん・・・

2007年08月14日

●感動する商品

 Sustainable (サステナブル)、最近、良く聞く言葉です。もともとは、「Sustainable Development」(持続可能な開発)として、1992年にブラジルで行なわれた国連地球サミットでアジェンダ21などで具体化された理念です。

 今、行なっている開発が、環境が持っている将来の利益やその利益を生み出すポテンシャルを失わないようにするという理念で、開発と環境保全を両立しようとする考え方です。

 それから15年経った、現在、地球環境はますます深刻な状態になっています。特に、地球温暖化は待ったなしの状態であることは、世界共通の認識だと思います。
 最近は、「環境保全」と「開発」の両立から、さらに突っ込んで、「環境保全」と「経済」の両立を図ろうとしています。

 持続可能な開発は、環境を損なわないように、節度ある開発をするということです。いわば、現在の経済理念の上にあって、環境保全にかかるコストを負担することである程度解決できます。しかし、環境と経済を両立しようとすると、現在の経済観念をシフトしなければなりません。そして価値感を変えなければなりません。特に、豊かさの価値を・・・

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2007年08月13日

●週末の新聞記事を読んで日本の食を考える。

最近の新聞記事

 週末の新聞記事は、食料の話題がずいぶんありました。食料自給率がついに40%を割ったこともあるのですが、中には突っ込みたくなるような記事もあります。

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2007年08月08日

●地球にやさしい農畜産業をめざして

シンポジウム

 8月7日、帯広畜産大学で開催されたシンポジウム「地球にやさしい農畜産業をめざして」を聴講してまいりました。
 上の写真は、シンポジウムが終わったあとの一コマです。左から、児玉ヘルス商事の児玉静也社長。場所文化プランナーの後藤健市氏、北海道立十勝農業試験場の菊池治己場長。十勝しんむら牧場の新村浩隆社長。帯広畜産大学の谷昌幸准教授です。

 

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2007年08月03日

●ちょっとだけ戻ること

 先日、訓子府の伊藤農園を訪問したときのこと、伊藤弘信さんが、「少しだけ、前に戻ること」が大切だと話をしていました。少しだけ戻って考えることで、新しい価値や考え方が見えることがあるようです。

 科学的根拠に基づき、収量を最大化するように考えられた近代農法(慣行農法)は、合理的ではありますが、脆弱性も指摘されています。近代農法に依存して化学肥料だけで連作していると、深刻な連作障害が発生します。また、地力も低下するので余計な肥料も必要になるし、土壌の保水機能なども失われます。

 かといって、化学肥料を全く使わない”有機農業”は、一般的な農業者には技術的に困難であるし、これまで長年続けてきた近代農業によって失われた地力を再生するには、長い時間がかかります。有機農業に転換する間に、収量が大きく低下するという話も良く聞きます。有機農業には科学的な根拠がない理論も多く、有機農業に転換する期間も、農業者には「本当にこれでいいのか?」という不安な思いがあるそうです。

  慣行農法から有機農法への転換は、いわば、「ふりだしに戻る」ようなもので、大きなリスクが伴います。

 化学肥料を上手に取り込みつつ、自然の持つ力を生かす持続的な農業、近代技術と伝統技術の統合技術こそ新しい価値だと思います。 
 慣行農法か有機農法かの、白か黒かの選択ではなく、白か黒の間をいったりきたりしながら、自然の持つ力を最大限に生かす農業経営を目指すべきです。

2007年08月01日

●ブランド信仰

 それにしても日本人はブランドに弱いと思う今日このごろです。日本人がブランドに弱いことを知ってなのか「ブランド化」とか「ブランディング」などの言葉が世の中にあふれています。

 本当のブランドとは何なんでしょうか?Wikiにはこのように書かれています。

 ある商品サービスを象徴するもののこと。ある商品・サービスを、別の商品・サービスから区別するための商品名称やシンボルマーク模様だけでなく、消費者が商品・サービスを見た際に想起させる周辺イメージ総体もブランドと呼ぶ。従来はマーケティングの世界の用語であったが、地域自体やその名称をブランドと考える「地域ブランド」も近年提唱されており、その概念は広がりを見せている。
 
文字図形で具体的に表現された商標もブランドの一つである。狭義には、ファッション分野での高級品イメージのついた一部メーカー及び商品群を指す(「ブランド物」)。

 もともとは、Bland とは「焼印」のことで、自分の家畜に、焼印を押して他人の家畜と区別することをいったそうです。

 最近では、「商品や組織に対するステークホルダー(消費者は顧客などの利害関係者)からの評価」のことを言うそうです。

 この「評価」というのが難しいです。付け焼刃で仕立てたブランドは砂上の楼閣のごとく、何かあればその評価は一瞬にして消えます。
 時代の寵児ともてはやされたヒトも、何か不祥事が起きればそのブランドは一瞬にして地に堕ちます。相手のブランド力を失墜させようと、そのチャンスを虎視眈々と探っている輩もあるかもしれません。

 僕がいいたいのは、ブランドとは品質であるということです。品質をステークホルダーに評価してもらうには長い時間がかかります。ステークホルダーの感性に訴えなければならないからです。

 呼称、名称だけがブランド化していったものの中身はどうなっているんでしょう。

 農産物のブランドもそうです。「地域名+農産物」を認める地域団体固有商標制度というのもできました。北海道では、「鵡川ししゃも」や「十勝川西長いも」、「豊浦いちご」などが商標とされています。
 農産物の評価は味とか鮮度です。同じ農産物でも作り手によってその品質は異なります。

 ブランドとは違うかもしれませんが、”オーガニック”はどうでしょうか?オーガニックは中身の品質を保証しているものではありません。

 品質を向上させる取り組みがなければ、地域団体固有商標も砂上の楼閣に過ぎません。

2007年07月31日

●訓子府 伊藤さんのタマネギ

訓子府 伊藤農園

 訓子府町の伊藤弘信さんの有機タマネギです。今年は雨が少ないとのことですが、健全に生育しています。
 もう、先々週の話になりましたが、出張途中で訓子府町に立ち寄りました。ちょうど、メロンの出荷の最中でした。伊藤さんのメロンは、圧倒的にうまい!僕も仕事柄、メロンは随分食べていますが、甘さといい、果肉の硬さといい、伊藤さんのメロンはかなりうまいです。
 今回は、伊藤さん(おじさん)もご在宅でしたので、農業への熱い思い入れも聞くことができました。

 

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2007年07月30日

●民主党圧勝!農政改革はどうなる?

 昨日の参議院議員選挙では、自民党の歴史的な惨敗に終わりました。参議院第1党になったのは民主党。民主党は日本農業をどう変えるのでしょうか?

 今回の選挙では、農村部をかかえる一人区で農家の票の争奪戦が激しくなりました。したがって、自民も民主も票の争奪戦のための農業政策というような感じがあって、現実的にどうなのか?と頭をひねらずにおれません。

 民主党の農業政策は、民主党のホームページ内に「2007政策リスト」というpdfファイルがあります。

 農林水産に関する政策では、まず、食料の完全自給への取り組みが書かれています。そして、政策の目玉としては、「戸別所得補償制度の創設」があります。

 現在の政策は、大規模農家だけに限定した政策であると批判し、原則として全ての販売農家に戸別所得を補償するとしています。農家が農業を持続できるような条件の整備ということで、その予算は1兆円として、米、麦、大豆、雑穀、菜種、飼料作物などの重点品目を対象に行なうということです。そして、農地を集約する者への規模加算、品質加算、棚田の維持、有機農業の実践など環境保全への取り組みに応じた加算するということです。

 対象を「全ての販売農家」としたところが、農村票を取りに行ってる感がミエミエすぎます。全ての販売農家に戸別所得保障できることは、現在の国際状況をみてもあり得ません。民主党は、WTOにおける貿易自由化協議とFTA、EPAを促進すると言ってます。でも、この所得保障制度はWTOの農業協定に抵触しそうです。そのへんは政策を決定する際に議論されていると思うのですが、実際にこの所得保障を実施しようとすると国際社会から批判されることになると思います。
 やっぱり、今後、農業を継続できる農家は限られていることに変わりなさそうです。そして、農業生産構造のリストラは日本農業を再生する上で待ったなしなんだと思います。

 次に、食の安全、安心に関して輸入検疫の強化やトレーサビリティが述べられています。 その次は、都市と農村の交流などの農村活性化を提言しています。

 農地制度改革はその次にこのように書かれています。「できるかぎり参入規制(入口規制)を緩和するとともに、農地所有者の耕作義務の明確化や転用規制(出口規制)の厳格化により、なるべく多くの意欲あるものが農業に参入できるう改革をすすめます。農業生産に意欲のある株式会社、NPO法人などのい耕作の継続の条件として利用権の設定を推進するとともに、農業生産法人については現行の要件を緩和します。」

 国内の耕作面積の一割は耕作放棄地です。この耕作放棄地を作り出したのは、他ならぬ農家自身です。農業への入口規制の撤廃は必要な措置だと思います。既存農家と新規参入組みとの競争が起きることを示唆しています。

 民主党の政策では、「環境保全型農業の推進」が盛り込まれています。そのために、「生物資源の循環利用による環境保全型農業の推進に関する法律(仮称)」を制定するとしています。そして、環境と調和した農学・生物系の研究を大幅に拡充・強化するとしています。

 これについては、個人的に大歓迎です。でも、この中に「有機農業」が入っているのが気になります。本当の意味での有機農業と、現在のJAS有機とは意味が違うと思っています。これまでの農学の研究では、「有機農業」についてはあまり研究されていませんでした。環境と調和した農学の研究を拡充することで、「有機農業とは?」を探求し、体系化して欲しいと思います。

 僕としては、「全ての販売農家」を対象とした、票欲しさのバラマキとも思える農業政策と、定義がはっきりしない有機農業の推進以外は、民主党の政策には概ね賛成です。
 でも、全ての販売農家が所得保障の対象となるとは思えないし、農業経営をめぐる情勢については、概ね変化はなさそうです。

2007年07月27日

●食肉偽装と安全・安心

 先月のミートホープ社の食肉偽装に引き続き、また、食肉偽装事件が発覚した模様です。

 今度は、香川県丸亀市の学校給食に、豪州産牛肉を国産と偽って納入した「ふじや精肉店」と食肉卸会社の「村食」が不正競争防止法違反(原産地偽装表示)の疑いで家宅捜査が入ったと報道されています。

 国産牛肉の納入契約であったとのことですが、村食の社員が国産牛の証明書をコピーして勝手に持ち出したとのことです。国産牛より安い豪州産牛肉を納入することによってその差益を得ようとした食肉偽装事件です。

 さっき、この事件をNHKのニュースで報道していましたが、コメンテーターが「学校給食は安全・安心が基本。」といってました。丸亀市の教育長も同じことを言ってます。

 えっ、でも、ちょっと待ってください・・・

 これは、食肉卸会社、食肉納品会社の商品表示の偽装という犯罪であって、商品の安全性とは関係ないはず。たとえ、豪州産であっても安全性にも味にも問題はないかもしれません。

 国産牛を食べていると思っているのに、実は豪州産だった。ということだから、安心感は薄れると思うし、騙されたという悔しい気持ちはありますが ・・・ 詐欺事件であっても、そのお肉が危険かどうかは今の時点ではわかりません。

 偽装という犯罪と食品の安全が一緒に論じられることは非常に危ないことだとおもいませんか?

 ミートホープ社の事件にしても、あれは偽装という犯罪で許せないことです。でも牛肉に豚肉が混入していた、ひき肉ならば、合びきだったわけで、危険な食べ物ではなかったかもしれません。

 スーパーなどで、店頭からMH社の製品を撤収している様子を報道し、コメンテーターが「安全性が揺るがされた。」などと報道されたら、消費者は何か悪いものを食べたんじゃないかと思ってしまいます。

 この食肉偽装の問題もそうですが、化学肥料は危険だとか、農薬が使われたからその食材が危険だとか・・・科学的根拠もなく、消費者の不安を煽るような、そんな、報道が多すぎると感じています。

 最近、ものすごく気になっています。 そもそも、「安全」と「安心」をワンフレーズで同列に扱うことがよいのでしょうか?

2007年07月26日

●「さらさらレッド」栽培講習会

さらさらレッド栽培中  先週来、出張の日々が続いております。ブログに書きたいことはたくさんあるのですが、エントリが追いつきませ~ん。

 さて、先週の火曜日の話になりますが、栗山町でブランド化を図っている健康タマネギ「さらさらレッド」の栽培講習会に参加してきました。

 「さらさらレッド」は、タマネギ生産の盛んな栗山町で新たな特産品として売り出し中の健康機能性が高いタマネギの新品種です。
 もともと、タマネギは抗酸化性、抗変異原性(抗ガン作用)やアレルギー抑制効果があるといわれていて、これはタマネギに含まれるケルセチンによるといわれています。

 この「さらさらレッド」は、僕の友人である地元栗山町の植物育種研究所の岡本大作社長が育種したものです。

 まだまだ新しい品種なので生産量も少ないのですが、地元農家や町などが一丸となって高付加価値化や地域ブランド化を図っています。

 今回の講習会には多くの農家や関係者が参加しました。

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2007年07月20日

●じゃがいもの花

じゃがいもの花

 17日から北海道内を出張でめぐっていました。17日の栗山に始まり、帯広、訓子府、別海、帯広とまわりました。
 このところ、北海道は場所によって気温が全然違います。畑に立っていても寒くて寒くて・・・とても7月とは思えません。
 写真は帯広・中藪農園のジャガイモの花です。もう開花のピークは過ぎているようですが・・・、今年も生育は順調のようです。

中藪農園のジャガイモ畑

2007年07月16日

●2007 八剣山さくらんぼ祭り

八剣山

 札幌駅から南へ約50分、ちょうど札幌の奥座敷、定山渓温泉に行く途中の国道230号線を走っていると右手に頂きに勇壮な剣を持つ”八剣山”があります。

 土曜日はこの八剣山のふもと、南区砥山地区の「さくらんぼ祭り」に行ってきました。 

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2007年07月10日

●農業界は超超高齢社会

 日本の高齢化は世界に例をみないほど急ピッチで進んでいます。その原因は平均寿命の延びと出生率の低下だと言われています。

 高齢化率とは総人口に占める65歳以上の人口の比率をいいます。今年、日本の高齢化率は21%を超えるといわれています。21%以上はいわゆる”超高齢社会”で、国際的にも経験した国はないそうです。

 高齢化社会は、高齢化率7%以上と言われています。日本は1970年に高齢化社会となり、1994年に高齢化率14%を超えて高齢社会になりました。そしてわずか13年後に超高齢社会を迎えたのです。
 (出典:Wiki

 農業はどうでしょうか?

 農業の高齢化率は全国平均で57.4%(H14)。 北陸や中国地方では70%を超えているそうです。

 もう限界です・・・・10年たったらどうなるんでしょう?白書では農業従事者の平均年齢という統計資料を見つけられませんでしたが、きっとかなり平均年齢も高いんでしょう。

 新規就農する若者はどうですか?世代交代は進んでいますか?

 白書の統計によると、平成17年度に全国で新規就農した人は7万9千人。農業就業人口は335万人ですから、2.4%に相当します。一方で農業就業人口自体は5年で13.8%も減っています。

 新規就農する人のうち40歳以上の人が85%、60歳以上の人が51%です。

 これでは、高齢化がますます進みます。

 農業は1年1年が勝負。1年間やってみて、学び、工夫し、次の年に繋げるのだそうです。60歳で就農した人は、あと何回勝負することできるのでしょう。

 昨日のエントリで耕作放棄地のことを書きましたが、それに連動するように農業界の超超高齢化にはどのように対応するのでしょう?

2007年07月09日

●農地を守る責任があるのは誰か?

 耕作放棄地が増えています。「食料・農業・農村白書(平成19年度版)」によれば、平成17年の耕作放棄地面積は、平成12年より4万3千ヘクタール、率にして13%増えて、38万6千ヘクタールになったそうです。実に耕地面積の8%に相当します。

 食料自給率が40%と主要先進国中、最低ともいえる状態だというのに、国内の農地の8%も使用していないのです。

 耕作放棄地とはいえ、農地は農地。この農地を所有しているのは誰なのか?

 誰が農地を守らなければならないのでしょうか?

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2007年07月07日

●AERAが生協に送ったおかしなアンケート

 以前、このサイトでもご紹介した書籍「メディア・バイアス」の著者である松永和紀氏が連載されているコラム「foodscienceの松永和紀のアグリ話」に紹介されていたものです。

 このアンケートは、ミートホープ社の食肉偽装を受けて、雑誌「AERA」が全国の主要生協に送ったものだそうです。

 foodescience は、有料のサイト(月額 500円)なので、ご紹介をためらったのですが。「食の安全情報blog」にアンケートの項目が掲載されていたので、ここでもご紹介することにします。

  それにしても、農薬や化学肥料、食品添加物についての知識、認識に著しく欠如しています。

 食肉偽装の問題と食の安全は別物だし、農薬や化学肥料を頭から否定するような書きっぷりです。農薬と化学肥料を同じく扱っているようにも見えます。化学肥料って何のこと?・・・というより、突っ込みどころがありすぎて、読めば読むほど訳わかりません。生産現場を全く知らない人が作ったアンケートなんでしょうか?

  また、読者もこのアンケートの結果を鵜呑みにして「食の安心・安全」に関する誤った認識が形成されていくのでしょう。

 その、気になるアンケート項目を以下に記載します。

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2007年07月06日

●アンパンマンに学ぶ本当の正義

アンパンマン  今朝、なにげにNHKのテレビを見ていたら、漫画家の やなせたかし さんが出演されていました。やなせたかし さんと言えば、子供に大人気のアンパンマンの原作者です。ウチの娘も大好きなので、僕もテレビアニメや映画、絵本をずいぶん見ています。

 アンパンマンの顔は「あんパン」で出来ていて、おなかをすかせて困っている人に、自分の顔を食べさせます。

 やなせたかし氏は、アンパンマンのテーマは、「 傷つくことを覚悟しなくては正義は行えないということと、献身と自己犠牲です。 」と言っています。

 やなせたかし さんは、太平洋戦争で中国に出征した経験を持っているそうです。出征する際には、自分たちが正義であると確信していたのに、あとになって、それが相手の立場では、正義でなかったことに気付いたといいます。「正義というのは立場が違えば、簡単に変わってしまう。」といいます。A国の正義は、B国では通用しないのです。

 では、本当の正義、普遍的な正義とは何なんでしょう?

 おなかがすいて困っている人に、自分の持っている食べ物を分け与えること。このことは、どこに言っても正義であることに変わりない。普遍的な正義である。だから、アンパンマンを描いたんだと言われていました。

 我々は、新聞やテレビのニュースなどで、世間の価値感を押し付けられていないでしょうか?あなたの会社の常識は、本当に世間の常識ですか?

 昨日のエントリにも書きましたが、バイオ燃料の需要によって食糧難が起こりつつあります。我々は、「燃料を選択するか、食糧を選択するか」迫られています。
 食糧を輸入している我々は、この影響を大きく受けます。それ以上に、現在でも飢えている国の人たちにとっては深刻な問題です。

 「燃料か食糧か」・・・アンパンマンならば間違いなく「食糧」と応えるでしょう。

2007年07月05日

●2016年の世界の農業・食糧

 昨日の新聞各紙、テレビのニュースなどでも、取り上げられていました。

 「OECD-FAO 農業アウトルック 2007-2016」。OECD(経済開発協力機構)とFAO(国連食糧農業機関)が連携して、農産物の需要や価格を予測したものです。
 これによると、今後10年間は農産物の価格は歴史的な均衡水準を上回り続けるとしています。つまり、今後、10年間にわたって農産物は値上がりしつづけるというものです。

 この背景には、バイオ燃料生産向け原材料の需要増などの構造変化があると指摘し、「食糧か燃料か」という問題に関する継続的な論争を呼び起こすだろう・・・・

 今朝の報道によると、日本ハムが、9月からハムやソーセージなどを約10%値上げすると発表したそうです。この原因は原料となる豚肉や鶏肉の価格が値上がりしているからということです。

 いよいよ、我々の身の回りの食糧が値上がりしてきました。

2007年07月04日

●消費者も悪い?

 少し前の話になりますが、食肉偽装のMH社の社長が、思わず「喜んで買う消費者も悪い。」と言ったのに非難ごうごうでした。これは当たり前です。たとえ消費者が悪くても、それをあなたが言ってはいけません。
 でも、内心、共感した業界関係者も多いのでは?

 商売には「三方よし」という言葉があるそうです。江戸時代から続く近江商人の経営理念です。三方とは、売り手、買い手、そして世間です。売り手だけが儲かってはならず、買い手の利益にならなければならない。そして、社会にも利益を還元しなければならない。シンプルながら素晴らしい理念です。

 どうも日本は、「お客さまは神様」思考が強すぎるようです。お客さまの都合を最優先することがサービスであるとされています。たとえばコンビニは24時間営業が当たり前になりました。このサービスの陰では、多くの無理や無駄がありそうです。夜中もコウコウと明るく、いつでもお弁当を買うことができるように品揃えしてあるということは、電気代もかかるだろうし、廃棄されるお弁当などもかなりありそうです。
 売り手は儲かり、買い手は便利かもしれませんが、このサスティナビリティを求める社会では、社会利益はあるでしょうか?多くの資源を浪費しているようにも思います。さらに電気代などに、かかるコストは当然ながら、消費者が負担します。

  いや、販売価格をみれば、消費者ではなく、納入業者の負担なのかもしれません。納品業者はギリギリの利益でやらざるを得ない現状があると思います。

 ですから、MH社の社長の発言に思わず共感してしまったという人もかなりいるのではないでしょうか?

2007年07月02日

●肥料が値上がりします。

 6月30日の日本経済新聞によると、全国農業協同組合連合会(全農)は化学肥料の2007肥料年度(07年7月~08年6月)の購入価格を引き上げを受け入れたそうです。値上がりは4年連続だそうで、今年度は高度化成(一般)で前年比9.95%の上昇というからかなりの値上げです。
 肥料メーカーは肥料原料価格の高騰を理由に15%以上の引き上げを求めていたそうです。
 今回の値上がりは第2次オイルショック以来の上げ幅だということです。

 農業経営をめぐる情勢はますます厳しくなっています。燃料価格の上昇、飼料価格の上昇、そして今回の肥料価格の上昇。一方で農産物価格は依然として低迷しています。

 生産コストをできるだけ低く抑えて、高く売るが理想です。これを実現するのは、環境保全型農業です

 ・・・と書くのは簡単ですが、実践するのはたいへんです。さまざまな知識や情報を総動員しなければなりません。そこにはイノベーションが必要です。
 農業関係者だけで、これをやろうというのは難しいのではないでしょうか?さまざまな業界とのゆるやかな連携が必要です。

 私が提唱している、農業企業家を中心においた異業種交流組織、「ファーミング・ビジネス・アライアンス」(FBA)で、技術、マーケティングなどの情報を共有しませんか?


 イノベーションとは、新しい技術発明だけではなく、新しいアイデアから社会的意義のある新たな価値を創造し、社会的に大きな変化をもたらす自発的な人・組織・社会の幅広い変革である。つまり、それまでのモノ、仕組みなどに対して、全く新しい技術や考え方を取り入れて新たな価値を生み出し、社会的に大きな変化を起こすことを指す。(出典:Wikipedia)

2007年06月30日

●夢のあと・・・

閉鎖されたゴルフ場  先日、出張の途中で見た閉鎖されたゴルフ場です。
 僕はかつて、バブルの時代にゼネコンに勤務していたことがあって、ゴルフ場の造成現場を多く見てきました。造成時には、莫大なお金をかけてつくったゴルフ場が閉鎖されることなど考えてもみなかったことでしょう。
 ゴルフ場は自然の地形を大幅にいじる工事が必要です。美しい芝を維持するためには肥料と農薬が必要です。
 そもそも、日本の温暖で湿潤な気候では芝生の状態で生態系は安定しないのです。
 写真はショートホールをティーグリーン側から見たところです。グリーンの芝はすっかり枯れています。これは、グリーンの床土が砂(サンドグリーン)で作られていて、水はけが非常に良いからです。もちろん、肥料を保持する能力は極めて少ないのです。地力は皆無といえるでしょう。だから、管理されなければ、とたんに乾燥して芝はすぐに枯れてしまいます。砂漠化のミニチュア版ですね。
 ゴルフ場にしても建物にしても、将来的にその施設が使われなくなったときのことを考えて作らなければなりません。

 富良野に暮らす作家の倉本聰氏は、閉鎖したゴルフ場を森に還すために植樹する活動をされています。(出典:日経BP

2007年06月28日

●京極町へ

じゃがいも畑と羊蹄山

 昨日は朝から出張に出ていました。児玉ヘルス商事の児玉社長とともに美しい羊蹄山を眺めれる京極町の農業企業家、吉川さんを訪問しました。あいにく、スッキリとした天気ではなかったので、羊蹄山にも雲がかかっていました。
 周辺ではジャガイモの花が咲き始めていますが、この畑は高台にあるために花が咲くのはもう少し先のようです。同じ地域でも高台と低地では、土壌も違えば、気候も違うので、同じ品種の作物をつくっていても管理の方法も変わってきます。
 吉川さんは、十数年前より地力を意識した土づくりをしているそうです。その管理技術にはいろいろなノウハウがありました。

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2007年06月26日

●農業と環境

 「環境と経済の両立」とは、先日のハイリゲンダム・サミットで、安倍首相が言ったことです。

 環境というは、経済と相性が悪いみたいで、経済成長を優先させると、どうしても環境負荷が大きくなってしまいます。

 現在の資本主義社会のもとでは、投入した資本に対して、利潤(付加価値)を最大化することが求められます。付加価値を最大化するためには、経費を削減するのが最も有効な手段です。が・・・、環境に配慮するには、経費がかかります。水処理、排ガス処理、廃棄物処理・・・最近ではこれに加えて、温暖化ガスの排出抑制なんて課題もあります。

 農業経営もなんだかんだ言っても、資本主義経済の一産業分野になっています。したがって、農業経営と環境保全も相反する利益構造だと思います。農業と環境は両立するのでしょうか?

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2007年06月25日

●食肉偽装、コンプライアンス、CSR

 まったくあきれた話です。例の食肉偽装の問題。農業、畜産、食品の業界に関わっているものとして看過することができない話です。

 僕は、これまで食の安全、安心に対する世論の動向に疑問を抱いていました。それは、食品添加物や農薬、肥料に対する過敏すぎる反応、それに対して、有機に対する盲目的信仰には”科学的視点”が欠如していると思っていました。いや、今でもそう考えています。
 農薬や肥料、食品添加物は使い方によっては、薬にも毒にもなります。だから、その管理が重要であり、消費者に対する情報開示、リスクコミュニケーションが重要であると考えています。

 しかし、今回の食肉偽装のような企業による作為的なコンプライアンス違反は、農業や食品加工業、食品流通、加工、外食産業など、食を扱うすべての業界に対して、消費者の信頼を完全に失ってしまったのではないでしょうか?

 信頼できないトコロからの情報は、まず疑ってみるのが心理です。消費者はますます「ゼロ・リスク」を求め、それに対応しようとする企業は、ますますコストがかかり、かつ、食品事故に対する大きなリスクを背負うことになりかねません。

 そのような背景では、これからもコンプライアンス違反もおこるだろうし、食関連企業がCSR(企業の社会的責任)を果たすことも難しくなるのではないでしょうか?

2007年06月21日

●100万人のキャンドルナイト

でんきを消して、スローな夜を。

 2007年の夏至の日、明日から24日まで、夜の8時から10時までの間、でんきを消しましょうという運動?です。

→ 100万人のキャンドルナイト

 この運動は2001年にカナダで始まった「自主停電運動」だそうです。日本では2003年から「100万人のキャンドルナイト」として全国に呼びかけられているということです。

→  さっぽろキャンドルナイト

 わが街、さっぽろでもこのイベントが行なわれます。
 僕も3年前ぐらいから、このイベントに参加しています。このイベントに協力しているレストランに行って、ろうそくの炎の下で家族で食事をしています。

 ろうそくの炎の下での食事は、なんとも心穏やかになるものです。日常の心の喧騒から解き放たれるようで落ち着きます。たまには、星空を見上げるのもいいでしょう。

 当初、キャンドルナイトというと、省エネ運動の一環だと思っていました。最近では地球温暖化が問題になっているので、でんきを消すことで炭酸ガスの排出量を減らそうだとか・・・

 でも、100万人のキャンドルナイトの呼びかけにあるように、各人がスローな夜を過ごすことに意味があるのでは?と参加して気付きました。もちろん、地球温暖化のことも考えてもよいし、この時、どこか最果ての地にいる野生のしろくまのことに思いを馳せてもよし、何も考えずに夏至の夜の湿った空気の臭いを感じるのもよいでしょう。何か、ふと気づくことがあるはずです。

 このひとりひとりのちいさな”気づき”が、地球の未来をつくるのでは?と僕は漠然と思います。

 この夏至の日にあわせて、「豪快な号外」という新聞?が皆様のお手元にも配布されていることと思います。この新聞の発行部数は3000万部だそうです。まさに豪快です。
 この号外は、地球温暖化を止めることを目的として、「2007年から日本が変わったと」語らせたいとの思いから作られています。

 ややこしい理屈はちょっと置いておいて、心を解き放つ夜を、あなたも過ごしてみませんか?

2007年06月20日

●バイオエタバブルの陰に飢餓がある。

 今週はめずらしく出張など行かずに札幌の事務所におります。札幌まつり(北海道神宮例大祭)も先週終わって、北都は短い夏を迎えます。さて、今年の夏はどんな気候なのでしょうか?

WFP-2.gif   前回のエントリで、日本の飼料自給率のことを書きましたが、昨日の北海道新聞に、「飼料を本格国産化 穀物相場高騰で農水省」との記事がありました。お米や食品残渣を利用して飼料原料の国産比率を高めるというものです。目標は現在の24%から2015年には35%に引き上げると表明しています。

 本来、畜産は人間が食べられないものを、肉や乳にする産業だったはず。本来、人間の食糧と飼料は競合してはならないのです。ましてや燃料となるバイオエタノールなど言わずもがな・・・です。

 世界には飢えて食べられない人(飢餓人口)がおよそ8億人い